慰霊碑、「埼玉公園」など訪問
埼玉県議会議員で同県議会日伯友好議員連盟の自民党議員が、4年後の2020年に開催される東京五輪準備調査のため、長峰宏芳団長、齋藤正明団長代行、小林哲也、石井平夫両副団長、諸井真英幹事長、小川真一郎事務局長ら6人が8月29日からリオ市やクリチバ市に滞在し、2日にサンパウロ(聖)市に到着した。議員一行は3日、県連(山田康夫会長)関係者や埼玉県人会(尾崎眞次会長)の会員たちとイビラプエラ公園内の開拓先亡者慰霊碑と日本館を訪れた後、聖市アルト・ド・ピニェイロス区にある「埼玉公園」も訪問した。
3日午前9時からイビラプエラ公園内の開拓先亡者慰霊碑を参拝・献花した議員一行は、県連の山田会長による「志半ばで亡くなった」先亡者慰霊碑に関する説明を受けた後、黙とうした。
長峰団長は「日本とブラジルの関係は近くて遠い国。日系人が約190万人いるということで、日系人が活躍していることを改めて知った。本当に苦労されてブラジル国家の一員として協力していることを、我々も誇りに思っている。もっと親交を図れたら良い」と熱く語った。
その後、議員一行は埼玉県人会会員の案内で、同公園内にある「日本館」も視察した。
今回の来伯で議員一行の主な視察先は、東京五輪の際に埼玉県での開催が決まっているバスケットボール、ゴルフ、サッカー、射撃の4種目の状況と問題点の確認。長峰団長は「どういう施設で行ったのか、どういう問題点があったのかを4施設の責任者から1カ所2時間ずつ、直接詳しく聞くことができた」と手応えを感じたようだ。
以前にサンパウロ新聞での記者経験を持つ諸井幹事長は「リオでは五輪会場のすぐ近くに練習場があり、選手が調整しやすいが、埼玉では練習場は別に用意しないといけない。リオの各会場までの交通機関の運用は、埼玉より距離が短く便利だった。埼玉では浦和からサッカー競技場までのアクセスに現在でも1時間かかる。五輪開催時までに対応策ができないと大変な渋滞をおこす。あと4年の間にどのような方法が良いか検討していく」と具体的な問題を指摘した。
小川事務局長は「クリチバ市のシャトルバスが専用レーンを約2分おきに運行していて、広い範囲で渋滞に巻き込まれない配慮は参考になった。これからはグローバルな人材育成が必要で、日本からブラジルへの留学生が増えるようにしたい。日系人がブラジル社会で尊敬されて底力になっている。これからも両国の連携を増やしていきたい」と思いを語った。
午前11時前には埼玉公園に場所を移して、8年前に植樹した桜の成長具合を確認。議員一行は埼玉県人会員と共に色が剥(は)げてきた記念碑に出席者全員で白いペンキを塗り直した。
同公園の植物を世話する近隣ボランティア団体「アルト・ド・ピニェイロス友達協会」のトンプソン・ルイス氏と妻のレジーナ氏は「4年前にこの公園に来ました。それから毎週1回水をやります。記念樹の桜の木には折れた枝に添え木をしたりテープを巻いたりしてるので、特に思い入れがあります」と微笑みながら語った。
また、同協会のカリネ・ガルボン氏(ベルギー系2世)は「ここに初めて来た時は、遊具や歩道も壊れていてゴミがいっぱいでした。その後、地域の自治会、市、企業と共同で子どもたちにも公園に関心を持ってもらい、物を大切にすることを教える活動を続けています。最近はサンパウロ大学と一緒に公園の植物の地図を作って観察し、2年前の調査では44種類ありました」と詳細を語る。今後の展望については、「ネット・ポリス議員に、遊具の修理をお願いしてます。子どもたちの希望する公園設備を一緒に考えたり、周辺の企業と一緒にゴミのリサイクル方法も検討しています」と新たな計画を披露した。
埼玉県人会の尾崎会長は「今回、母県の議員の方々と一緒にこの公園に来て、植樹した桜が枯れることなく成長している姿を見ることができて大変嬉しく思います」と締めくくり、尾崎会長と議員一行は同公園を世話している2人に記念の扇子を贈呈した。
サンパウロ新聞 2016年9月10日付
