ニッケイ新聞 2016年9月30日 平成28年度外務大臣表彰伝達・祝賀式が27日、在聖総領事公邸で行われ、アルビラ・アペルさん(52)、若林和男さん(85、兵庫)、本橋幹久さん(80、鳥取)の3氏が受賞した。家族、友人ら約40人が見守る中、中前隆博総領事から賞状と記念品が授与された。 アペルさんは南麻州カンポ・グランデ市で、日系人経営の沖縄ソバ屋28店舗によるフェイラ・デ・ソバの会長を、2006~10年に務めた。8月に同市で開催されるソバ祭りには毎年10万人が来場しており、沖縄そばは同市の無形文化財に認定されている。 受賞に改めて感謝したアペルさんは、これからの活動について「人種や考え方などの違いもあるが、さらに日伯関係強化に貢献したい」と意気込んだ。 画家の若林さんは約50年にわたり当地で芸術活動に励む。サンパウロ国際ビエンナーレを含む数多くの展覧会に参加し、ブラジル外務省賞をはじめ数々の賞を受賞した。漆工芸の技法や、日本の古典から引用された図柄を活かした作品を多く発表している。 「美術家の仲間の中で自分がたまたま受賞した」と謙遜し、「美術家として名前が残ったが、コロニアの一員でいれることが嬉しい。色々な人に支えて頂き感謝している」と礼を述べた。 本橋さんは県連副会長、会長を歴任し、県連日本祭りへの日本政府参入に貢献した。また、日本の地方自治体との交流促進、南米他国の日系社会との交流にも尽力した。 受賞あいさつでは、「寝る前になんと言おうか考えていたが、結局思いつかなかった」と照れ笑い。県連会長職については、「一生懸命職務を果たしてきたつもりだが、今回の表彰は自分ではなく、県連全体が表彰されたと思っている」と関係者に感謝した。 中前総領事は3氏の受賞に「文化、美術、友好親善にそれぞれ貢献された」と称賛。表彰状を手渡し、記念撮影や懇談など和やかに終了した。
Dia: 30 de setembro de 2016
ニッケイ新聞 2016年9月29日 ブラジル日本都道府県人会連合会とブラジル日本語センターが共催する、『第37回サンパウロ・スピーチコンテスト』『第10回弁論大会』が25日午後、サンパウロ市の栃木県人会館で行なわれた。独学で日語学習をしてきた初出場の新崎ローザ百合さん(24、三世)が弁論の部で見事勝利した。考えさせる内容を盛り込み、日語校の生徒を押しのけて優勝を果たした。 スピーチBクラスから始まり、山下ファビオさんが1位に輝いた。250キロを走破する砂漠ランナーをテーマに「過酷な状況に立ち向かう姿に感動」と語り、マラソンに出場した体験談を交え、「年末のサンシルベストレ15キロの部に出る」と宣言して約150人の聴衆を沸かせた。 スピーチAでは「小さな幸せ」をテーマにしたピラール・ド・スール日語校の島崎さゆりさん(16、三世)が1位に輝いた。「たくさん練習した。まさか優勝できるとは」と驚いた様子。フロリアノーポリス往復券を手に笑顔を見せた。 11人が出場した弁論大会を制したのは、初出場の新崎ローザ百合さん(24、三世)。栃木県宇都宮に生まれ、6歳まで日本で過ごした。帰伯後も「日本が好きだから」という理由から、聖市ビラ・カロンで日語教師を務める母を通じて教材を借り、独学で学習を続けた。 母に勧められて初出場。「期限ギリギリで申し込んだ。自分試しに出ようと思った」がまさかの優勝。「信じられない。奇跡。大学の試験勉強も重なったし、不安で昨日の夜もしっかり眠れなかった」と興奮さめやらぬ様子で話し、応援に駆けつけた母と喜びを分かち合った。 志村マルガレッチ審査委員長は、「聞き手に何かを考えさせる内容を評価した。弁論大会は問題提起が大切。個々の技術の差はわずかだった」と語る。 新崎さんは、ノーベル平和賞を獲得したマララ・ユスフザイさんの演説「ペンと本で世界は変わる」を引き合いに出し、「そんな言葉に強く共感。次世代のために私も手本になりたい。よりよい社会になるために努力したい」と発表。共通テーマ「志―社会に対して何ができるか」に沿った内容が勝因となった。 上位入賞者は以下の通り(1位から降順、敬称略)。【スピーチB】山下ファビオ、大貫隼 【スピーチA】島崎さゆり、名久井はると、森美幸 【弁論】新崎ローザ百合、岡本千秋メリッサ、野田博智エルトン、丸屋せいぞう □関連コラム□大耳小耳 非日系の活躍もあった過去のスピコン&弁論大会。今年はスピーチBに出た、ラリッサ・フェルナンダさん(16)=サンジョゼー・ド・リオ・プレット在住=が唯一の非日系だった。4年前から勉強に励み、現在は日本人牧師による個人教室に通う。趣味の語学学習とアニメ好きが高じて、日本語にも関心を持つようになったという。本番は「地元よりも寒くて、あまり上手くいかなかった」と笑いつつ初出場に喜び。上位入賞はならず、今年は日系が躍進した大会になった。
ニッケイ新聞 2016年9月27日 鹿児島大学が「進取の精神グローバル人材育成プログラム」として開催する、第6回南米研修に参加するため、教員と学生を含む14人が、16日にブラジルに来訪した。 日系移民史や生物多様性などブラジル環境問題、アンケート調査を通じた観光産業などの鹿児島の地域活性化を模索することなどが目的。北部マナウスでは、ブラジル全土の日本語、日本文学、日本文化大学教師学会や、ブラジル日本研究国際学会への参加など、多岐に及ぶ研修を通じて、理解を深める。 参加する学生の関心も様々。水産学部の中村潤平さん(20)は、「アマゾンでの国立公園散策が楽しみ。特に、アマゾン川で魚釣りをしてみたい」と期待を語り、釣り用具も持参してきたという気の入れよう。 団員らはサンパウロ、やアマゾナス両州を中心に巡り、28日まで滞在する予定だ。
パラグアイの首都アスンシオンでパラグアイ日本人移住80周年記念式典に出席した帰りにブラジルに立ち寄った兵庫県の荒木一聡(かずあき)副知事一行3人は、11日午後2時過ぎからクリチバ市内の「兵庫姫路会館」講堂で経済、学術、技術に焦点をあて、兵庫県とパラナ州及び日伯交流の促進を目的にした「ひょうごセミナー」を開催した。 セミナーには、池田敏雄在クリチバ日本国総領事、山脇ジョルジ・パラナ州日伯修好120年委員長、原ルイ・クリチバ日伯文化援護協会会長、大城パラナ日伯商工会議所会頭などのほか、日伯企業関係者、大学教授や日本語教師、パラナ州政府職員など計約70人が出席した。 池田総領事のあいさつの後、荒木副知事が経済、学術、技術に加えて観光の分野で兵庫県を紹介した。続いて、日伯交流を推進してきた山脇氏や原会長などから今後の兵庫県との交流について、中小企業の経済交流には兵庫県の支援が重要であること、文化、学術、技術の交流では留学生や研修員の受け入れ支援が大切であること、交流促進には人と人との交流が大切であることなどが具体的に提案。荒木副知事と意見交換が行われた。 パラナ州政府のパウロ・シュミット補佐官は1983年にパラナ州が工業技術センターを建設した際、兵庫県がJICAからの支援の調整や先端工業技術をブラジルにもたらすために技術者の派遣等の協力を行ったことに「現在のパラナ州の工業技術の礎を築いていただいた」と感謝の意を表した。その上で、「昨年の友好交流45周年でパラナ州は、エコ・エネルギー関係での技術協力を行うことを提案したが、この件で兵庫県にも協力をお願いしたい」と発言した。 ◎ ◎ 荒木副知事一行は翌12日午前、ベット・リッシャ・パラナ州知事を表敬訪問した。 会見ではリッシャ知事が、パラナ州と兵庫県の間には46年の友好提携と協力の歴史があり、昨年に友好の絆が再確認されたことに触れ、「この関係をさらに拡大し強化することで、パラナ州にさらなる成果がもたらされる」と述べた。 さらに同知事は、日本人のおもてなしの心やテクノロジー、農業、観光分野での協力を強調。「パラナ州はその開発に貢献された日系コミュニティーに負うものが多い」と日系人の貢献を称賛した。 荒木副知事は「パラナ州との提携は大変重要であり、それを拡張し、パラナ州と兵庫県の絆をさらに深めることに貢献できることは光栄」と述べ、井戸敏三兵庫県知事の親書を手渡した。 サンパウロ新聞 2016年9月27日付
米、酒、茶、海苔の4品をアピール 佐賀県産品の海外輸出可能性の調査を目的とした経済ミッション団一行8人が18日~23日に来伯し、同県の主要産物である米、日本酒、茶、海苔(のり)の4品目についての試食試飲会が21日、サンパウロ市アクリマソン区の佐賀県人会館で行われた。試食試飲会には、当地の食品輸出入会社、高級日本食レストラン、佐賀県人会関係者などが参加。同県産品を実際に味わいながら、今後のブラジル市場での取り扱いの可能性などについて検討し合った。 同調査の背景には、日本の人口減少による国内市場の縮小に加え、農林水産業を取り巻く環境が変化する中で産地・産業の持続的発展を図ることを目的に、2013年の「日本再興戦略」の閣議決定により、農林水産省が20年までに農林水産物・食品の輸出額を1兆円とするべく輸出促進策を実施していることがあるという。 佐賀県では主要品目の中から、米、日本酒、茶、海苔の4品目を選定し、今年8月には中国・韓国で同様の調査を行っており、9月に北米・南米で実施。10月に欧州、来年1月にアジア諸国への調査団派遣を予定している。 ミッション団団長で、佐賀県産業労働部流通・通商課国際経済室農林水産物等輸出促進コーディネーターの湯ノ谷英生氏の説明によると、佐賀県では有名な「佐賀牛」やワインなどは民間会社を通じて、欧米など世界中に輸出されているという。特にサシ(霜降り)が入って旨味のある「佐賀牛」については現在、ブラジル側との輸出入交渉が最終段階に入っており、ブラジルのゼブ牛も日本に輸出されるなど相互協定の実現が高まっているそうだ。 それ以外の主要産品として、今回は佐賀県を通じた経済ミッションで前述の4品目に力点を置き、世界への輸出可能性の調査が目的。今後の各国での税金・通関や現地での販売価格等の問題もあり、「佐賀県産品の『安心・安全』の品質面をアピールするなど、価格を超えたところで何かが作れないかと思っている」と湯ノ谷氏は語る。 同ミッションをコーディネイトしているコンサルタント会社デロイトトーマツの原真一郎マネジャーによると、ブラジルでは特に超富裕層と日系人を主な対象にしているという。今回の来伯では、地元の日系輸出入業者や食品会社との商談をはじめ、21日に佐賀県人会館で行われた試食試飲会で高級日本食レストラン関係者なども招待して実際に佐賀産品4品目の味わいを確かめてもらった。 米は、佐賀県農業協同組合本所営業部次長兼米穀販売課の小栁(こやなぎ)敬一郎課長が、食味ランキングで最高ランクの「さがびより」と、コシヒカリに近く、全国で生産されている「ヒノヒカリ」を説明した。 また、日本国内で年間80億枚が生産される中、半分の40億枚が生産されているという佐賀県産の海苔について、原マネジャーが自然豊かな「有明海」で採れることを強調。「潮が引いている時の太陽光の光合成によりミネラルが豊富で、磯の香りとパリッとした食感、口溶けの良さが特徴」とし、8月の中国・韓国での調査を踏まえて佐賀県産の海苔が「安心・安全」の品質管理が実践されていることを強調した。 日本酒については、佐賀県内に27の酒蔵がある中、今回は小松酒造の清酒「万齢」と、古伊万里酒造の「前(さき)」の純米大吟醸、大吟醸、純米酒のほか、甘口の「飲むみりん」などを原マネジャーが紹介した。 最後に茶の紹介として、川原茶業の川原康寛取締役専務が「うれしの茶」について「緑が濃く、茶葉がしっかりしている」と説明。来場者に振舞われた粉末茶については、菓子類やアイスにも活用できるなどとアピールしていた。 サンパウロ新聞 2016年9月24日付
