投票結果後に意見を述べる松村会長(右奥)

新しい会館購入を巡り、8月28日に開かれたブラジル鹿児島県人会(松村滋樹会長)の臨時総会。しかし、松村会長らが推薦するサンパウロ(聖)市サウーデ区の候補地と、青年部及び婦人部が推薦するジャバクアラ区の候補地で意見が二分して収拾がつかなくなり、決定は延期となっていた。決定のための臨時総会が9日、聖市リベルダーデ区の文協ビル5階県連会議室で再び行われ、会員による投票の結果、新会館候補地はジャバクアラ区に決定した。
臨時総会は定例役員会の開始が遅れたため、予定より1時間近く遅れた午前11時15分に開始。総会には43人の会員が集まり、松村会長以外に、サウーデ区の候補地を推薦していた吉原豊治氏は欠席となった。
同県人会先亡者への黙とうに続き、松村会長があいさつに立ち、聖市パカエンブーにあった以前の会館が母県とブラジル、両国からの支援で購入された経緯を語った。聖市内一等地にあり、当初は他の県人会もうらやむ会館で「県人会員の誇りだった」と語った。しかし、メトロの駅から遠いことや維持費の問題から会館の売却案が浮上。臨時総会が開かれ、会員らの投票により売却することが決定した。
その後、予想より下回る額で会館が売却されると、当時の臨時総会に出席した会員らも含め「なぜ会館を売ったんだ」という文句の声が挙がったとし、「自分たちも出席したこと、売却に投票したことを忘れてしまった無責任な投票だった」と松村会長は批判した。
今回の投票では受付時の番号が記載されており、誰がどちらの候補地に投票したか分かる仕組みとなった。松村会長は「投票には責任が伴います。5年経っても誰がどちらに投票したか判ります。自分が納得して、どちらの候補地を選んだのか、はっきりとした意志を示して下さい」と会員らに訴えた。
議長には田畑稔氏を選出。書記には同県人会事務局長の平井真理子さんが選ばれ、有効な委任状は44人分と発表された。
続いて、投票前に両候補地の内部映像が上映され、同時に値段や施設概要が比較形式で詳しく説明された。その後「下見をした人の意見が重要」という声があり、両候補地を見学した婦人部の大沢晴子さんと理事の上園モニカさんがそれぞれ意見を述べた。理事会と婦人部、青年部と一緒に3回候補地を見学した上園さんは「ジャバクアラ区は太陽光発電が可能で、電気代を抑えることができる。台所が広く婦人部は日本祭りの準備時は助かるし、各教室や文化活動ができるので青年部は希望に溢れている。どの部門の人間も納得できる」とし、ジャバクアラ区を推薦した。
続いて投票が行われ、ジャバクアラ区に81票、サウーデ区に1票、新会館購入自体に反対の票が1票(失票4票)でジャバクアラ区の候補地が新会館に決定した。
今後は平井事務局長を中心に、臨時総会の結果の書類を作成。購入契約を進め、順次新会館に荷物を運び込むとした。
選挙の焦点となった両候補地の違いだが、駅から近く会館が小さいのはサウーデ区。駅から遠いが、台所部分など施設や会館自体が大きいジャバクアラ区となり、大半の会員は後者を支持する結果となった。
候補地決定後、松村会長は「サウーデ区に投票したのは自分」と会員らに明かし、「ジャバクアラ区の候補地は前会館そっくり。吉原氏が今日欠席したことは逃げというか、責任を果たしていないと思う」と述べ、「今日の臨時総会だけは出てほしかったが、これでは責任放棄と言わざるを得ない」と落胆の表情を浮かべた。
サンパウロ新聞 2016年10月14日付
