各県人会代表に賛否意見聞く
【既報関連】県連(園田昭憲会長)主催第15回フェスティバル・ド・ジャポン(日本祭り)の一環として今年初めて開催されたロードレースで、約 17万5000レアルに上る赤字問題が発生したことは既報の通り。9月代表者会議では、執行部による役員会で「10対4」と来年も開催する意見が多数を占 めたとしているが、同会議に出席した各代表からはロードレース独自の事業会計報告書の開示を求める意見が相次いだ。あす25日に行われる10月度会議が注 目されており、同イベント推進派からは詳細内容を発表しなくてよいとする意見もある。そうした中、本紙では改めてロードレース開催の経緯を振り返り、取材 で判明した新たな事柄とともに各県人会関係者の意見を紹介する。(編集部)
◆ロードレース開催経緯と現状
県連は今年3月29日、代表者会議の席で山田康夫会計(滋賀)が7月に開催するフェスティバル・ド・ジャポンの関連事業として、6月24日(後に7月29日に開催日変更)に「第1回日伯ロードレース&ジョギング大会」を開催すると発表した。
これは、今年の同祭のテーマ「共存する進歩と環境」に沿ったものをと、「MACPlan」社が県連に企画を持ち込んだもの。「日本祭りは代わり映 えがしない」と言われ続けた県連が打ち出した「苦肉の策」の一つだった。県連によると同企画は、移民100周年の際に同社から文協に持ち込まれたが、実現 には至ることはなかったという。しかし、本紙が文協及び移民100周年協会執行委員会に確認したところ、「(同企画が)持ち込まれたような話は無かった」 と説明している。
同企画は、日系コロニア団体が主催する初めての大規模ジョギング大会。県連はロードレースに期待を込め、当初は約3000人のランナーの参加を見 込んでいた。ところが、運営は「MACPlan」社に一任し、県連独自の告知や宣伝が不足していたため、申し込み数が当初から伸び悩んだ。また、申し込み はインターネットに限られていたため、パソコンをあまり利用しないコロニアの高齢者にとっては申し込みにくいイベントだったことも確かだ。本紙にも申し込 み方法について多数の問い合わせが相次ぎ、開催が1カ月後に迫った6月28日でも申し込み数は600人程度だった。
その後、大会は中止されることなく、延期された7月29日に行われた。大会は非日系の参加者も多く、日の丸の鉢巻きを締めて走るなど聖市民らはロードレースを楽しんでいたが、本紙記者が取材した際に主催者発表の1500人よりは「少ない」と感じていた。
ロードレースの赤字が発覚したのは、8月30日に行われた8月度代表者会議。「細かな会計報告を作るべきだ」「本当なら幹部は責任を取るべきだ」 などの声が相次ぎ、会議は紛糾した。その時点で判明していた赤字は10万レアル以上。「寝耳に水」の各県人会長は執行部の態度に怒りをあらわにした。園田 県連会長は「日本祭りの本会計とロードレースの個別会計を両方作るべき」と語り、山田会計は「執行部のミスでした。申し訳ございませんでした」と出席した 県人会長らに謝罪している。
9月度の同会議でも同件についての議論が行われ、赤字額は約17万レアルに上ると報告されたが、ロードレース実行委員長の前田ネルソン氏(三重) からは詳 細説明どころか、謝罪の言葉も一切無かった。前田氏は赤字の理由について「開催直前に期待していたスポンサーから断られたため」と話し、「来年度のロード レース開催予算については、有力なスポンサーが付くとみている」として継続をほのめかした。
園田会長によると「現在、執行部内では来年度の(ロードレース)開催を支持する役員が10人おり、反対派の4人をはるかに上回っている」という。反対意見が相次いだ代表者会議とは全く逆の雰囲気になっているようだ。
◆ロードレースの予算は25万レアル
役員会の2世会長の一人によると、ロードレースの当初の予算は25万レアルだったという。参加料金が1人50レアルで、県連が発表している 1500人の出 場者があったとして単純計算で7万5000レアルの収入が入り、差し引き17万5000レアルの赤字という結果に、数字の上では合うことになる。しかし、 当日無料で配布されたTシャツには、大型スポンサー以外の各スポンサー企業5社の名前が印字されている。これらスポンサー料金がどのようになったのかは現 在のところ不明で、これまで代表者会議の席上ではロードレースに関する会計報告など詳細発表は行われていない。
ロードレースの赤字発覚後、日本 祭り及びロードレースの実行委員長には坂本アウグスト氏(栃木)を推す意見もあったそうだが、坂本氏は自身の仕事が多忙なことを理由に辞退している。そう したことから、役員会の席上で改めて前田氏が両イベントの実行委員長を続けることが決定したという。
2012年10月24日付
