2日に開催されたブラジル長崎県人会創立50周年記念式典祝賀会で、田上富久長崎市長ら10人が舞台に上がり、長崎の伝統芸能「龍(じゃ)踊り」を摸した芸を披露し会場を沸かせた。
「龍踊り」は中国が起源で、五穀豊穣(ほうじょう)を祈る雨乞いの神事として始まったもので、龍がドラやラッパの音により、玉を追い求めて乱舞する長崎の伝統芸能。玉は太陽を表し、龍が玉を飲むことによって空が暗転し、雨を降らせると信じられている。
飛び込みで行われた龍踊り芸は、スーツのジャケットを裏返しに着た田上市長が玉持ち(龍が追いかける玉を持つ者)となり、龍頭(龍の頭)には渡辺敏勝長崎県議会議長が扮(ふん)した。渡辺議長は割りばしをネクタイで頭に縛り付けて龍の角にし、自らの口でラッパの音を再現。目を大きく見開いてすっかり龍になりきり、きょろきょろと田上市長の持つ割りばしに刺した玉(レモン)を探しては、舞台上を所狭しと駆け回った。
囃子方も、大きな鍋のふたをシンバル代わりに鳴らし、最も当選回数の多い吉原孝市議がユニークな解説で会場の笑いを誘った。
龍が舞台袖に消えると、会場からはアンコールという意味の長崎弁「もってこーい、もってこーい」という掛け声が飛び交い、盛り上がりがピークに達した。龍踊り芸の発表によって緊張していた会場の雰囲気が一変。出席者らは涙を流して大笑いし、和やかな雰囲気で交流を深めていた。
ブラジルを訪れる日本人には終始、仏頂面(ぶっちょうづら)で通し、県人会員にも親近感を抱かせない首長もいるが、龍踊り芸を見た園田昭憲県連会長は、「コロニアに大きな衝撃を与えた」と驚きを隠せない様子だった。
この、龍踊り芸は長崎出身の駐在員などがニューヨークや上海などでも行っており、コミカルな演出が世界各地で好評を博しているという。
2012年9月4日付
