書道極めた茨城・小林操会長
ブラジル都道府県連合会(園田昭憲会長)主催の「第15回フェスティバル・ド・ジャポン(日本祭り)」も7月半ばに終わり、同祭で中心的に活動した47県人会長の多忙さも少しは落ち着いたことだろう。県人会長の中には趣味に時間を割く人もおり、中には趣味を極めてプロ級のレベルまで達し、活躍している会長もいる。県人会長を務める時とは違う別の顔を持つ2県の会長を、2回連載で紹介する。(石橋恭平記者)
茨城県人会の小林操会長(77)は、8月1日から聖市モエマ区の聖州議会内文化スペースで自身初めての個展「書道・墨彩画展」を開催した。
小林会長の出身は、茨城県日立大宮市。子供のころは、周りにあるものは何でも手当たり次第に絵を書いて親たちを困らせていたことが、今も小林会長の記憶に残っているという。
茨城大学工学部で金属工学について勉強した小林会長は、ブラジルに27歳の時に妻子を連れて移住した。その後、金属工業の会社を起業したが、現在は退職し、息子の和人さんが経営している。
小林会長と書道との出会いは約20年前。茨城県人会員らと協力して同県人会に書道教室を設立し、習い始めたことがきっかけだった。書道に夢中になった小林会長は当時まだ働き盛りの50代。会社から帰宅して、午前3時ごろまで書道の練習に励み、翌朝には会社に一番に出勤していた。同僚からは、「小林さんはいつ寝ているのだろうか」と心配されていたほどだ。
書道の世界にのめり込んだ小林会長は、日本で行われる書道大会に毎回応募し、粒々辛苦(りゅうりゅうしんく)の努力の末、ブラジルで初めての毎日書道会(東京)会友になり、準師範まで上り詰めた。
また昨年には、同県人会の書道教室開設20周年を記念した書道展「墨の芸術展」を開催。小林会長らは書道のデモンストレーションを行い、観客は一挙一動を見守り、カメラで撮影するなど熱心に見入っていた。
小林会長は書道の魅力について「筆を握っている時に心が無になり、一切すべてのことが忘れられる」と真剣に話した。
小林会長の現在の活動場所は5カ所(聖市2カ所、リベイロン・ピーレス市、コチア市、ビニェーダ市)で書道と墨彩画を指導している。生徒の大部分を女性が占めており、非日系の生徒も徐々に増えている傾向だという。また、最近は県連の催しで忙しい小林会長は、ほとんど書道の時間が取れていないそうだ。
小林会長は今後について「県人会長を退任したら自分なりの作品をじっくりと極めたい」と希望を述べ、「パソコンを使って自分の作品をたくさんの人に見てもらい、交流していきたい」と目を輝かせながら語った。(つづく)
2012年9月18日付
