前回書いたように県連、県人会は中長期的な展望を持ち合わせていない。このため、活動も事業もマンネリ化しやすい。県連、県人会は日系諸団体の中で最も日本とのパイプが太い。こう考えると、自らの活動を両国の交流という点に絞って独自性が発揮できる。2年後のサッカーW杯、2016年のリオ五輪、そして、まだ決まっていないが20年に立候補を予定している聖市の万国博覧会と数年おきに大きなイベントを控えている。これらのイベントは県連、県人会発展の起爆剤になり得るのだが、直前になって慌てふためいても何もできないだろう。今から、準備しなければ間に合わないのだ▼
こうした催し物を自らの事業なり活動に絡めようと考えている県人会長は何人いるのだろうか。W杯に日本の出場が決まれば、かなりの観客が来伯する。これにどのように対応するのか。また、日本チームの事前の合宿地もあるだろう。来伯した人たちが困った時に受け皿になれるのか、青年部の人たちを通訳ボランティアとして配置できるのか、など手伝うことはいくらでもある。日ごろ、「海外最大の日系社会」と喧伝しておきながら、日本人が大挙して来た時に何もできなかったとしたら恥ずかしい話ではないか。リオ五輪にしてもそうだ。競技種目によって事前にブラジル国内で練習を重ね、調整する。その時に、ブラジル各地の日系団体が引き受けることを考えなければいけないだろう。それが日系コロニアの役割だ。無料で奉仕することばかりではない。しかるべき費用を日本側に負担してもらうよう働きかければいいのだが、今の体制では日本側から相手にされないだろう▼
1週間ほど前、県連を含む日系主要5団体はカサビ聖市長に20年万博開催都市立候補への支援宣誓書を提出した。その中に聖市の立候補には日系コロニアを挙げ支援を行うことが記載されている。5団体の中で県連は何を担うのか。何ができるのか。今の県連にはアイデアはないだろう。「まだ8年ある」ととらえるのか、「8年しかない」ととらえるのか、意見が分かれるところだが、これまでの県連の活動を見ている限り、期待するのは無理だろう。目先のことだけにとらわれると、夢が持てなくなる。夢を持ち、その実現に向けて活動する行動力を発揮できるのは若い人たちだ。ロードレースにうつつを抜かす暇があるのなら、将来を描ける人を探すべきだ。(おわり、鈴)
2012年9月27日付
