聖州立中高生200人も参加
来賓には大西博巳広島県人会長、川添博長崎県人会長、森田被爆者協会会長、山下譲二文協副会長、チアゴ・クロッコ聖州教育局代表、ケネディ・レジストロ市長などが出席。式典ではまず、日伯両国歌とレジストロ市の歌を斉唱した。
開会のあいさつを山村実行委員長が行い「灯籠に願いを込めて核のない平和な世界を、この場所から平和を訴える」と述べた。続いて中村法道長崎県知事のメッセージを川添氏が代読。また森田氏、山下氏がそれぞれ核のない平和な世界について唱えた。
聖州とレジストロ市を代表してサンパウロ州教育局のクロッコ氏、ケネディ市長があいさつを行い同市長が来賓を代表して「世界平和宣言」を行った。また献花を大西氏と川添氏が、献水を森田氏が行った。
式典前には同州立の中高校生を対象に核兵器の恐ろしさを訴えた「原爆の子」のDVD鑑賞が行われ、約200人が参加。献水後に同生徒によるコーラスが行われた。
生徒らは「原爆をゆるすまじ」「ローザ・デ・ヒロシマ」「ドイス・コラソンエス」などを日ポ両語で披露し、制作した大きな鶴を掲げながら平和を歌った。
その後、追悼法要と平和祈願を行い、会場横を流れるリベイラ川に300基の灯籠が流され式典は閉幕した。
山村実行委員長は取材に対し「式典を通じ原爆の恐怖を知らない若い世代に着実に知ってもらっている。これからも引き続き伝承できれば」と次世代に伝えていく姿勢を見せた。
DVDを鑑賞したほか、コーラスを通じ核兵器の恐ろしさを知ったというジャクビランカ市にある州立学校から参加したビアンカ・ペレイラさん(14)は「この活動に参加していなければ日本で起こった悲劇を知ることはなかった。参加できて良かった」と親身に語り、アビガイル・デ・オビレイラさん(15)は森田氏の原爆の体験談について触れ「苦しみを共有できて良かった。平和が一番だ」との思いを述べた。
なお大勢の同学生に「日本に原爆が投下されたことを知っていたか」と質問したところ、全員が「知らなかった」と答え、「今後もこのような活動に参加したいか」との質問には「もちろん」と笑顔で答え、非日系の若い世代に核兵器の脅威、平和への願いが着実に伝わっていたことが伺えた。
来年はレジストロ、イグアッペ、セッテ・バラスの日本移民入植100周年ということもあり、同年式典も兼ねて大掛かりな催しを計画、実行する予定だ。
(川口裕貴記者)
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18日に開催された「平和灯籠流し」式典前の午後2時、レジストロ市立多目的ホールで映画監督・新藤兼人氏の作品で乙羽信子主演の「原爆の子」が上映さ れ、300人の生徒が広島の悲劇を熱心に見た。このDVDはブラジル広島文化センター理事の平崎靖之さんの寄贈によるもの。
原爆が広島に投下された時、平崎さんは母親の胎内に宿っていた。新藤監督の父親と平崎さんの父親が親戚関係で両家はよく行き来し、一緒に撮った写真が何枚もあるという。
平崎さんは来年訪日する予定で、「今年昇天された新藤監督の墓参りへ行く。墓前で地球の反対側にあるブラジルで核兵器廃絶運動の『平和灯籠流し』を催 し、『原爆の子』を見た将来を担うブラジルの子供たちが核兵器のない平和な世界の建設に努力することだろうと伝えたい」と語った。(金子国 栄)
2012年8月23日付
