ガス管不備のトラブルも
第15回フェスティバル・ド・ジャポン(日本祭り、主催=ブラジル日本都道府県人会連合会)が13~15日、聖市のイミグランテス展示場で開催 された。今年も期間中は晴天に恵まれ、多くの来場者が訪れ様々な催しを楽しんだ。今年の同祭のテーマは「共存する進歩と環境」で、企業の出展スペースでは 日本企業の最新技術などが紹介された。また、各県人会など53団体が出店した郷土食ブースは昨年を上回る売り上げを記録する店が相次ぎ、来場者は日本の伝 統と現在を堪能していた。
14日に行われた開会式では、県連、文協などの日系団体のほか、在サンパウロ日本総領事館や日系議員も壇上に上がり開会を祝った。県連の園田会長 は「州や日本企業、各県人会の皆さんのお陰でこのような大きなイベントが開催できた」と感謝の言葉を述べ、来賓らとともに樽酒を割った。
「共存する進歩と環境」をテーマに行われた今年の日本祭りでは、三菱自動車が電気自動車「アイミーブ」を出展。予定されていた会場内での走行は安 全面を考慮して中止されたが、環境への関心が高まりつつあるブラジル社会へ日本企業が大きな提案を行ったといえる。「アイミーブ」はエコでクリーンな車社 会を目指して作られたもので、専用充電ケーブルで車両とEV充電用コンセントをつなぐだけで家庭でも手軽に充電が可能となる。会場では「アイミーブ」と一 緒に写真を撮ろうと長い列ができていた。
中小企業の出展も見られ、三重県からは三重県の企業広報ブース「美し国三重」が初出展した。来伯したのは清水醸造株式会社、寒紅梅酒造株式会社、 万協製薬株式会社の3社で、同県で醸造された品質にこだわりのある酒と、同県の特産物が生かされた保湿クリームを紹介した。同県企業のブラジル出店を引率 したNPO法人「愛伝舎」の坂本久海子さんは3日間の同祭を振り返り、「まだ始まったばかり。これから両国の絆が太くなる」と今後に期待していた。
福岡県からは株式会社高橋商店が来伯し、製造している調味料YUZUSCO(ゆずすこ)の試食、販売を行った。同県では来年福岡で開催される予定 の海外福岡県人会世界大会に向けて、世界各国と交流の幅を広げようという動きがあり、同県人会と計画を進めてきた。現在、世界11カ国で販売されており、 南米では初。日本祭りの会場では200本限定で販売された。同社の高橋努武社長は「ブラジルでも好評。食文化を超えて受け入れていただいている」と感激し ていた。
また、15日正午からは国際交流基金サンパウロ日本文化センターの招待で、大蔵流狂言師、田賀屋夙生氏と島田洋海氏による狂言『神鳴(かみな り)』がメーンステージで披露された。ブラジルでの狂言の上演は初めてで、ステージを見守る観客は2人のコミカルな動きやポルトガル語に言い換えられたセ リフを聞いて笑いが起きていた。11日にも聖市ベラ・ビスタ区のガゼッタ劇場で披露され、会場の700席は満員となるなど好評を博した。
伯国各地から選ばれた21人の日系美女が、全伯一の美を競う「ミス日系コンテスト」は14日午後5時ごろから行われ、各地から多くの応援団が駆け 付けた。会場は寒さを吹き飛ばすほどの熱気に包まれ、参加者は美しさ、調和、カリスマ性など五つの部門で審査。その結果、パラナ州ロンドリーナ市出身のイ ワイ・アリオシ・アドリエーレさん(21)が今年のミス日系の栄冠に輝いた。
県人会など53団体が出店した郷土食では、今年も多くの店で「昨年の売り上げより伸びた」という声が聞かれ、焼きそば以外でも人気が分散した形と なった。 名物の関西風お好み焼きで一番人気の和歌山県人会は今年も長い行列ができたが、「今年はある企業から事前に大型注文が入っていたが、ガス管の不備で届ける ことができなかった」と不満を漏らした。
12日に降った大雨で聖市南部は一時停電が起こり、13日の開会までにすべての県人会のスタンドにガス管の敷設が完了しなかった。そのため、13 日の午 前中などは調理ができず、一時会場は騒然となった。同祭関係者の一人は「雨も原因の一つだが、昨年の業者の下請けと直接契約したのでこういう結果になった のでは。きちんとしたところと契約しなければ」と話していた。
園田会長は15日夕方、今年の同祭について振り返り、来場者の非日系の割合がまだ少ない点。同祭のテーマが訴えられなかった点。女子トイレの数が 少なく 行列ができた点を反省点として挙げた。初開催となった蚤(のみ)の市と盆踊りについては「今後も徐々に規模を大きくしたい」と話し、最後に「色々なミスも ありますが、来年もあきらめず日本祭りに来てください」と各方面への協力を呼びかけた。
2012年7月17日付
