団体のあり方を問いかけ
聖市アクリマソン区の老朽化した会館の売却に伴い、岐阜県人会(山田彦次会長)は今月11日から同市リベルダーデ区グロリア街279番2階に事務所を移転し、改めて活動を行っている。来年は同県人ブラジル移住100周年の節目を迎えるが、新会館を建設するかどうかなど今後の具体的な方向性は決まっていないという。20年以上にわたって会長職を務める山田会長に県人会活動への思いなどを聞いた。
会館の売却は昨年11月下旬の臨時総会で会員からの承認を得ており、今年3月の定期総会でも確認されている。
このことについては、会員、賛助会員及び新会館建設のために資金を提供してくれている協力者すべてに通知し、今後の活動についても報告する考えだという。
しかし、新会館建設については「会員が100人なら100人とも意見が違い、案が多過ぎて現実的な話が進められていない」(山田会長)とし、意見がまとまらないようだ。
山田会長は5、6年程前からサンパウロ近郊での会館建設案を提示したこともあるが、多数の会員の同意を得ることができていないという。かといって、聖市内で具体的にどの場所に新会館を建設するのかも会員によって主張が違い、以前から幾度にもわたって会館建設について意見を交わしてきたにもかかわらず、具体的な方向性が決まっていない。
山田会長は常々、県人会の役割について「岐阜県人会と名前が付いている以上、岐阜県とブラジルに住む岐阜出身者やその子弟との交流事業をやることがメーンになる」と主張してきた。
「岐阜県と交流するためには当然言葉は日本語でなければならない。また母県から補助金をもらっている関係上、県から入る情報をどのようにブラジルで伝え役に立たせるかを考えている」
これまで山田会長は、毎月発行している会報でもそうした主張を繰り返してきた。しかし、一般的に「次世代へのバトンタッチ」と日系各団体の課題として掲げられているが、若い世代にこれらの思いが十分に伝わっていないのが現状だ。
母県と県人会との交流事業が以前より縮小傾向にあることは否めないものの、岐阜県人会では現在でも県費留学生制度や今年で34回目となる岐阜県農業高校生の伯国研修などが継続されている。
山田会長は「アソシアソン(協会)」の役員が一切の報酬を受け取ってはならないことが伯国の法律で決められている以上、会員数が少なくなる現状の中、従 来のままの団体運営では継続できないことを指摘する。子弟に日本や母県への憧れを持たせるようなやり方で、「クラブ化」することも一つの方向性として考慮 している。
「今後、県人会をどのような形でやっていくのか。知恵を出してもらわない限り、いくら議論してもやってはいけない」と会員及び若い世代に今後の県人会のあり方を問いかけている。
今後の会館建設や来年の県人移住100周年の具体案については現在、未定だという。
なお、新事務所の電話番号は以前の通り(11・3209・8073)。
2012年6月23日付
