【一部既報】徳島県の伝統芸能である「阿波人形浄瑠璃・平成座ブラジル公演」が、五月三日午後三時から聖市ツクルビー区の徳島県人会館(ドトール・アントニオ・マリア・ラエト街二七五番、地下鉄ツクルビー駅前)で開催される。
同公演を前に、今回初来伯する平成座(藤本宗子座長)から届いている日系社会へのメッセージと、同座のこれまでの活動などを紹介する。
平成座は、郷土の伝統芸能継承を目的に、太夫(たゆう)・三味線・人形の「三業一体」が揃った新しい構成での人形座として平成元年(一九八八年)に設立。後継者育成のため、地元の小・中学校をはじめ、大阪や東京など県外での公演活動も多く、〇七年には座員二人がドイツでの公演メンバーに選ばれている。
また、〇七年十一月に地元徳島の阿波十郎兵衛屋敷で開催された「阿波人形浄瑠璃の世界劇場王国」には、皇太子殿下・妃殿下が出席され、座員への励ましの言葉をかけられたという。
今回、ブラジルで初めて行なわれる公演「傾城阿波の鳴門~巡礼歌の段~」は、近松門左衛門作「夕霧阿波鳴渡」を、近松半二、竹田文吉らが改作。一七六八年に大阪竹本座で初演されている。
内容は、徳島藩の御家騒動に絡み、盗まれた主君の刀を詮議するため、阿波の十郎兵衛・お弓夫婦が名を変えて盗賊に身をやつして、大阪の玉造(たまつくり)に潜伏。巡礼姿の娘・お鶴が阿波から父母を訪ねて来るが、我が子と分かれば娘に災いが降りかかるとして、涙をのんで別れる母親の切ない気持ちを表現するというもの。
来伯する平成座のメンバーは次の通り(敬称略)。
藤本宗子(座長)、道辻友十、鶴澤友文、広瀬智子、遠藤勝己、和田和子、吉田サチコ、藤本康代、和田恵。
藤本座長は、「阿波人形浄瑠璃は平成十一年(九九年)に日本国の重要無形民族文化財に指定され、徳島県が世界に誇る郷土の伝統芸能を座員みんなで大切に継承し、後継者育成に努める所存です。ブラジル公演は初めてですが、移民の皆様の長年のご苦労を少しでもねぎらい、阿波人形浄瑠璃の心を皆様にお伝えできれば幸いです」と日系社会へのメッセージを送っている。
徳島県人会(原田昇会長)では、五月三日の公演には「レプレーザ連」による阿波踊りの競演もあるとして、多数の来場を呼びかけている。
