項目の大会宣言を決議 日系人大会 日本語機関の活用など
岡田外相「日系人は大切な資産」
【東京支社】海外日系人大会は十五日に二日目を迎え、東京・市ヶ谷のJICA研究所で代表会議を行ない、五項目にわたる大会宣言を決議した。決議された大会宣言は、①海外日系人大会と海外日系人協会を支援する②海外日系諸団体の日本語教育機関の活用を求める③在日日系人を支援する④日系若手リーダーに期待する⑤在外選挙人登録増加に努力し、在外選挙権の拡大と充実を希望する、というもので、代表者会議終了後の記者会見で発表された。大会参加者はその後、東京・麻布の外務省飯倉公館に移動し、外務大臣主催の歓迎パーティーに出席した。同パーティーで挨拶に立った岡田克也外務大臣は「海外に住む日本人と日系人は日本にとり大切な資産です。今までと変わることなく支援し、若い世代との絆を深めていきたい」と海外の日本人、日系人との連携の強化を明言した。
従来通りの支援も約束
代表会議は午前十時から午後四時三十分まで、海外日系人社会と日本について討議された。今回はヨーロッパ(オランダ、イギリス、フランス、ドイツ)、オーストラリア、パラオからも参加者があり、これまでの北米、南米中心の会議から広がりが見られた。
参加者の広がりについて海外日系人協会の塚田千裕理事長は、「日本では政権交代が起き、時代の流れを感じる。五〇回という節目を迎えた日系人大会も、大会内容の変更を検討する時機にきているかもしれない」という感想を述べた。
大会では、最初に各国日系社会の現状と日本との関わりについて報告された。ブラジル代表として会議に出席していた飯星ワルテル連邦下院議員(伯日議員連盟会長)は、「世界各国にある日系コミュニティーは規模が大きく、世界を変えるだけの巨大な影響力を持つ可能性がある。移民百周年で日本政府は、様々な機関を通して日本の文化、知識に接する機会を与えてくれた」と感謝のことばを述べた。
また木多八郎文協会長は「ブラジルの日系人は百五十万人といわれ、そのうち三十万人が日本で働き、百二十万人がブラジルで頑張っている。この日系人たちが今後、日本とブラジルの社会、経済、文化を繋ぐ強い力となるだろう」と日系人の果たす役割を強調した。さらに田辺豊太郎文協評議員は「我が祖国は世界に誇れる国で、優秀な民族。ブラジルの日系人は先人たちのおかげでその誇るべき資質を継承している。その現れが一致団結して見事に成功させた百周年記念行事だった」と語った。
代表者会議後、会議をリードした議長らを中心に記者会見が行なわれた。会見では、大会宣言について質問が集中し、「この立派な宣言はどこに向かって発せられたものなのか、非常に曖昧で、宣言の効果に疑問がある」という問いに、主催者側は、「外務省に提出する一方、機関誌の海外日系人に全文を掲載、関係各機関に配付し、理解を求めている」と答えた。
さらに「政府側に要望するものがあれば、要望書としてそれなりの所に提出してはどうか」という質問が続いたが、主催者は「参加者の中には、要望書という字句を嫌う意見もあり、それで大会宣言としている」と答えた。
〈外務大臣主催レセプション〉
レセプション出席者名簿に岡田外務大臣の名前が無く、出席されないと見られていたが、十五日朝、外遊から帰国した足で会場に駆けつけてきた。挨拶に立った岡田外相は最初に「こんにちは」と挨拶したため会場から、「こんにちは、ではなく今晩はでしょう」と野次られるシーンがあった。同相は「外国から今朝帰国したばかりで、時差ボケしています。それでついこんにちはと言ってしまいました」と弁解していたが、これほど多忙な仕事の合間を見て出席した岡田外相に日系人たちは、敬意を隠さなかった。
この日、外相は「海外に住む日本人、日系人は日本の資産」と海外の日本人、日系人の役割を高く評価し、今まで通りの支援を行なうと約束、「これから若い世代との絆を深めていく」と表明した。
さらに岡田外相の選挙地盤である三重にも自動車産業が多く、工場労働者の半数が日系人であると語り、「この不景気で日系人たちが困難な状況にあることは十分承知している。この問題の解決に努力したい」と述べ、日系人問題に前向きに取り組むことを約束した。民主党政権はどうやら、海外の日本人、日系人にとって、好ましい政権のようだ。
写真:代表会議に参加した人々
2009年10月16日付
