チビっ子の部出場者全員にトロフィーが渡された
沖縄戦後の思い込めた唄も披露

ブラジル沖縄県人会・ブラジル沖縄文化センター(島袋栄喜会長)主催の「第40回琉球民謡コンクール沖縄県人会創立90周年記念大会」が、5日午後2時からサンパウロ市リベルダーデ区の同県人会館で開催された。当日は小雨が降る中、各カテゴリー別で計45人が出場し、約200人が来場した。沖縄県人会では今年9月に予定されている創立90周年式典を前に、各種イベントを同記念行事と位置付けて盛り上げていく考えだ。
当日はチビっ子の部(13歳まで)、一般の部(14歳から64歳)、高齢者の部(65歳以上)等に計45人が出場した。
午後2時から行われた開会式では高安宏治氏の司会進行により、最初に島袋会長があいさつ。コンクール開催に関係者への感謝を表し、「琉球民謡はウチナーンチュの心を表す大事な伝統文化の一つ。若者の心を惹きつける大きなイベントとしてこれからもぜひ、続けてほしい」と激励した。
引き続き、知念直義実行委員長が「今年は沖縄県人会が創立して90周年で、1976年に開催された琉球民謡コンクールが始まって40年という節目の年。琉球民謡の普及発展には多くの先輩方の貢献がありましたが、現在はその先輩方もわずかに2、3名となっています。これからも琉球民謡を継承し、民謡協会や保存会の先生方と一緒に発展に邁進していきたい」と述べた。
米須正審査委員長の注意事項の後、新人高齢者の部の照屋照子さんの「夫婦船」を皮切りに、各カテゴリーごとに老若男女が練習の成果を披露した。
新人高齢者の部で初出場したサント・アンドレ支部の大城栄子さん(66)は、沖縄戦の悲惨さを唄った「艦砲ぬ喰ぇぬくさー(艦砲射撃の食い残し)」を熱唱。舞台を終えてから、本紙の取材に応えてくれた大城さんは「親兄弟や友人たちが皆戦争で殺されたのに、生き残った自分が一人で生きていていいのかという複雑な思いと、あの激しい艦砲射撃を生き抜いたのだから、どんな苦しいことにも耐えられるとの思いが込められています。良い唄だと思って練習しましたが、戦後70年以上が過ぎても、我々1世にとっての沖縄戦はまだ終わっていないという思いを伝えたかった」と語った。
また、同じくサント・アンドレ支部から初出場した宮城あきらさん(78)も、「二見情話」を披露。同民謡は、米軍基地移設先として国際的な問題になっている名護市辺野古(へのこ)付近にあった「二見収容所」に、米軍の捕虜として収容されたウチナーンチュが作ったという。宮城さんは「辺野古のことを思い、いつも家で唄っている民謡です」と説明した。
各カテゴリーの結果は次の通り(敬称略)。
【新人高齢者】1位=宮城あきら、2位=川上テイ子。【優秀高齢者】田野栄正。【最高高齢者】徳永ノリ子。【グランプリ高齢者】1位=城間ローザ、2位=当間ナイル。【新人一般】1位=比嘉カオリ、2位=竹口セリア、3位=与那覇ユウイ、4位=与那覇洋子、5位=喜納レチシア。【優秀一般】1位=百名エメルソン、2位=仲里マリナ。【クランプリ一般】伊集ジュリアナ。
サンパウロ新聞 2016年6月16日付
