東日本大震災一周忌追悼法要
「私たちは今後も継続して、被災地への支援を行っていく」―。東日本大震災から1年を迎えた11日午後2時から聖市リベルダーデ区の文協記念講堂で日系5団体、仏教連合会、岩手、宮城、福島などの被災県人会合同の犠牲者追悼法要と復興祈願が執り行われ、冒頭の言葉が強調された。また、前日の10日午前9時からは、同市セントロ区のサンゴンサーロ教会で日伯司牧教会の協力による追悼慰霊ミサも行われ、出席者たちは震災被害を受けた人々の一日も早い復興を願った。
11日の追悼法要には約600人が詰めかけた。法要委員長の木多喜八郎文化協会会長はあいさつで、約2万人の犠牲者を出した震災を振り返り、ブラジル及び日系社会からも義援金が送られるなど全面的な協力を行ったことに言及。「きょうは失われた命と救われた命を思ってお祈りしたい」とし、「私たちは今後も被災地への長い支援を行っていく」と述べた。
引き続きあいさつに立った在サンパウロ日本国総領事館の大部一秋総領事は、日本への義援金支援を行った日系社会への感謝を述べるとともに、震災について(1)決して忘れないこと(2)苦しみを皆で分かち合っていくこと(3)支え合い、希望を持って前に進むこと、の3点を強調した。
県連の園田昭憲会長による追悼の辞の後、各宗派僧衆代表及び一般参加者による焼香が行われた。
さらに、日本の震災発生時刻に合わせた午後2時46分には会場全員で黙とうが行われ、合掌しながら犠牲者の冥福を祈る人の姿も見られた。
仏教連合会のコレイア教伯導師による法話の後、宮城、岩手、福島の被災3県知事のメッセージを各県人会会長が代読した。震災孤児を支援するプロジェクト「いのち」のメンバー7人による合唱に引き続き、国際交流基金提供の震災映像が約10分間放映。地震、津波や原発事故の悲惨な光景と各地での復興の様子に、会場からはすすり泣く声も漏れ聞こえた。
モジ・ダス・クルーゼス市イチペチから出席した芳賀七郎さん(78、宮城)は宮城県南三陸町での津波により長兄と次兄を亡くした。特に長兄は戦時中「暁(あかつき)部隊」に所属していたとし、戦後原爆投下後の広島市に後片付けのために入り、入市被爆している。芳賀さんは「私が24歳でブラジルに来る時、長兄に許しを得た。兄ではあるが親代わりのような存在だった。今日こうして皆さんに追悼してもらえることは、本当にありがたい限り」と無念な思いの中にも日系社会への感謝の気持ちを表した。
聖市ベルゲイロ区在住の阿部正司さん(66、岩手)は岩手県釜石市に伯父がおり、震災で行方が分からなくなったが、発生から1週間後に無事が確認されたという。「それまでは心配で本当に心を痛めました。今日は仕事がありましたが、上司に許可を得てここに来ました。昨年の(日系社会で行った)初七日法要にも参加しましたが、震災の思いを引き継ぐためにもう少し日系3世、4世の若い人たちにもたくさん出席してほしかった」と率直な思いを語った。
友人たちと一緒に出席した聖市サウーデ区に住む河上クリスチーナさん(35、3世)は、今年2月に日本を訪問した。「日本のことを誇りに思う。一日でも早く元の生活に戻れるようになってほしい」と河上さんは被災地への思いを込めた。
2012年3月13日付
