米、酒、茶、海苔の4品をアピール
佐賀県産品の海外輸出可能性の調査を目的とした経済ミッション団一行8人が18日~23日に来伯し、同県の主要産物である米、日本酒、茶、海苔(のり)の4品目についての試食試飲会が21日、サンパウロ市アクリマソン区の佐賀県人会館で行われた。試食試飲会には、当地の食品輸出入会社、高級日本食レストラン、佐賀県人会関係者などが参加。同県産品を実際に味わいながら、今後のブラジル市場での取り扱いの可能性などについて検討し合った。
同調査の背景には、日本の人口減少による国内市場の縮小に加え、農林水産業を取り巻く環境が変化する中で産地・産業の持続的発展を図ることを目的に、2013年の「日本再興戦略」の閣議決定により、農林水産省が20年までに農林水産物・食品の輸出額を1兆円とするべく輸出促進策を実施していることがあるという。
佐賀県では主要品目の中から、米、日本酒、茶、海苔の4品目を選定し、今年8月には中国・韓国で同様の調査を行っており、9月に北米・南米で実施。10月に欧州、来年1月にアジア諸国への調査団派遣を予定している。
ミッション団団長で、佐賀県産業労働部流通・通商課国際経済室農林水産物等輸出促進コーディネーターの湯ノ谷英生氏の説明によると、佐賀県では有名な「佐賀牛」やワインなどは民間会社を通じて、欧米など世界中に輸出されているという。特にサシ(霜降り)が入って旨味のある「佐賀牛」については現在、ブラジル側との輸出入交渉が最終段階に入っており、ブラジルのゼブ牛も日本に輸出されるなど相互協定の実現が高まっているそうだ。
それ以外の主要産品として、今回は佐賀県を通じた経済ミッションで前述の4品目に力点を置き、世界への輸出可能性の調査が目的。今後の各国での税金・通関や現地での販売価格等の問題もあり、「佐賀県産品の『安心・安全』の品質面をアピールするなど、価格を超えたところで何かが作れないかと思っている」と湯ノ谷氏は語る。
同ミッションをコーディネイトしているコンサルタント会社デロイトトーマツの原真一郎マネジャーによると、ブラジルでは特に超富裕層と日系人を主な対象にしているという。今回の来伯では、地元の日系輸出入業者や食品会社との商談をはじめ、21日に佐賀県人会館で行われた試食試飲会で高級日本食レストラン関係者なども招待して実際に佐賀産品4品目の味わいを確かめてもらった。
米は、佐賀県農業協同組合本所営業部次長兼米穀販売課の小栁(こやなぎ)敬一郎課長が、食味ランキングで最高ランクの「さがびより」と、コシヒカリに近く、全国で生産されている「ヒノヒカリ」を説明した。
また、日本国内で年間80億枚が生産される中、半分の40億枚が生産されているという佐賀県産の海苔について、原マネジャーが自然豊かな「有明海」で採れることを強調。「潮が引いている時の太陽光の光合成によりミネラルが豊富で、磯の香りとパリッとした食感、口溶けの良さが特徴」とし、8月の中国・韓国での調査を踏まえて佐賀県産の海苔が「安心・安全」の品質管理が実践されていることを強調した。
日本酒については、佐賀県内に27の酒蔵がある中、今回は小松酒造の清酒「万齢」と、古伊万里酒造の「前(さき)」の純米大吟醸、大吟醸、純米酒のほか、甘口の「飲むみりん」などを原マネジャーが紹介した。
最後に茶の紹介として、川原茶業の川原康寛取締役専務が「うれしの茶」について「緑が濃く、茶葉がしっかりしている」と説明。来場者に振舞われた粉末茶については、菓子類やアイスにも活用できるなどとアピールしていた。
サンパウロ新聞 2016年9月24日付
