創立85周年向けて続投の要田会長
山口県人会(要田武会長)は26日、聖市リベルダーデ区の同会館で2012年度定期総会を開催し約50人が出席した。総会では役員改選が行われ、顧問委員会から「今年は8月12日に創立85周年記念式典を控えており、会長職に慣れている」との理由で推薦を受けた要田氏が、引き続き会長職に就くことが満場一致で可決された。要田会長は老朽化が著しい会館について顧問から「母県は新会館建設に資金協力すると言っている。次の世代のために(建設に踏み切るかどうか)我々の態度をしっかり示すべきだ」と建設推進運動を途絶えさせることのないように要望を受けた。しかし、要田会長は「新会館建設は難事で、すぐにできるものではない。計画は白紙と考えていい」との考えを明かした。
総会で就任あいさつに立った要田会長は「今後は会長職を2世の若い人に譲るべきだろう。顧問委員会から推薦されたのでもう1期は続ける。これから役員選出の作業に入るが、基本的には85周年を見据えて現役員に続投してもらう。ただし、若くてやる気のある人にはどんどん入ってもらいたい。指名もする。お子さんの推薦などがあれば受け付けます」と力を込めた。
会員によると、同県人会は2007年に開催した80周年記念式典では記念誌の発行を除いて約8万レアルの費用を要しており、12年度事業予算では開催費用を賄うために14万9千レアルを計上。このうち、大きな資金源の一つである会館賃貸料と寄宿費をそれぞれ2割値上げし、6万1千レアルを見込む。また、会費も値上げに踏み切り、1万レアルを計算に入れている。
また、会館建設については約6年程前に県人会内に会館建設委員会を組織して検討を重ねており、県知事から80周年の際に「建設費の5千万円を補助する」という言葉も引き出し、約2億円をかけて建設することが会の規定路線と定まりつつあった。しかし、要田会長は「残りの建設費用をかき集める方法がなく新会館建設はたち消えている。今の日本と県人会の状況ではすぐには無理だ」と話す。
要田会長は、新会館を建設するには山口県にある企業などの寄付に頼るしか方法はないだろうと考え、移民した山口県民の出身市町村を一人で調べあげ、「これで現在の統合した市町村から何人がブラジルに渡ったのかが分かる。市長や企業に見せて理解を得たい」と建設気運が高まった際の準備だけは行っている。
ただ、同県人会の会館の老朽化は著しく、数年前から3度にわたって屋根の葺(ふ)き替え工事を行ってきたが、いっこうに雨漏りが止むことはなく、悪化の一途をたどってきた。すでに工事には約11万レアルを費やしており、「これ以上の修理は無駄。老朽化との『追いかけっこ』になるだけ』」との声も聞かれた。
本紙の取材に対し要田会長は「新会館建設は難事。すぐにできるものではない。不景気が続く日本に対して建設資金の協力を求めることは難しい。また、お年寄りは生活が苦しく若い会員には育ち盛りの子供がいる。そんな状態の会員に誰が寄付を頼めるだろうか。私にはできない。なにしろ資金がないのだから、計画は白紙と考えていい」と説明した。
総会では昨年の会計報告が行われ、収入が11万341・79レアルで、支出が12万1468・87レアルと発表された。ところが、収入に入れるべき利息を支出の欄に組み込んでいることを会員から指摘され、報告書にサインを行った要田会長はじめ、役員の西村パウロ、近江稔の各氏が陳謝し、3月の役員会までに訂正して再度報告することを約束した。会員からは「きちんと中身を見ないで署名していない証拠だ」との声が上がった。なお、同県人会では本年度から会計士を原ルシアナ氏に変更している。
総会後には新年会が開かれ、11年度研修員の帰国あいさつも行われ、会員らは日本酒を酌み交わしながら、創立85周年記念に向け一つになった。
2012年2月29日付
