中沢氏、谷氏も立候補に否定的
各県人会は1月から3月にかけて総会シーズン。毎週週末にはいずれかの県人会が総会を開いている。県人会の統括団体であるブラジル日本都道府県人会連合会(園田昭憲会長)も3月に総会が予定されており、今年は役員改選の年になる。園田会長は、退任の意思が固いと言われており、執行部サイドではいまだに次期会長候補者の名前が浮かび上がっていない。対抗馬として注目されている中沢宏一宮城県人会会長、谷広海宮崎県人会会長らも動きが鈍い。しかし、新執行部のシャッパ作りも進めなければならず、今月末から来月初めにかけて、大きく動くことが予想される。
昨年3月、当時の県連会長で沖縄県人会会長だった与儀昭雄氏が同県人会長を勇退したことから、副会長だった園田鹿児島県人会会長が県連会長に就任した。
県連の定款では、最年長者の副会長が会長に就くことが明記されていたのだが、本橋幹久鳥取県人会長が健康上の理由で辞退したため、会長選びが難航した。いずれの副会長も仕事上の理由で固辞していたが、園田氏が総会直前になり、「我を捨てて義を取った」と会長受諾を表明した。
昨年の総会の席上で、園田会長は、「先輩が残した大事なものを受け継ぎ、役員、会員の皆さんと可もなく不可もなくやっていきたい」と述べ、さらに、「(1年の任期で)時間は限られているが、県連の一番大事な行事であるフェスティバル・ド・ジャポンを継続してやっていきたい」と抱負を語った。
あくまでも、園田会長はワンポイント・リリーフを強調したのだが、この1年間の実績をみると、運営だけでなく、他団体との交流や交渉も無難にこなし、マイナス点はみられない。当然、執行部だけではなく、各県人会会長からも続投を望む声が強いのだが、本人は続投の意思はないと、執行部会で次期会長候補者の推薦を依頼している。
園田氏は、「鹿児島県人会の会長を長くやり過ぎているので、県連会長は引き受けられない」と理由を語っている。昨年2月に行われた鹿児島県人会の総会時にも会長退任を表明したものの、2013年の鹿児島県人移住100周年記念式典までは会長を続けてほしいと県人会員の総意として引きとめられ、会長を続けた経緯がある。
このため、来年の同式典を終えれば、鹿児島県人会会長を辞任する意向を固めており、今回県連会長を引き受けると途中で降板せざるを得ないため、「中途半端なことはしたくない」と県連会長続投を固辞している。
園田氏を担ぎ上げた県連執行部は、「園田さんしか会長はいない」と続投を希望しているものの、「熱心な人なので、仕事や家族を犠牲にしているのはよく分かるだけに無理強いもできない」と踏み込めないでいる。
一方、県連会長選挙になると必ず候補者として名前が取りざたされる宮城県人会会長の中沢氏は、「園田さんが会長を続けるなら、私が出る幕はない でしょう」と苦笑いする。昨年の一時期、中沢氏は宮崎県人会の会長に就任したばかりの谷氏と県連運営について話し合っており、当時から中沢、谷コンビで会 長選挙に打って出るのではないかと、うがった見方をする向きも多い。
谷氏は、現在はブラジル日本語センターの理事長だが、3月に開かれる同センター総会で退任が決まっており、「県連会長が視野に入っているのでは ないか」との噂(うわさ)も広がっている。谷氏は、「いまさら、県連会長でもないでしょう。出馬する気はありませんよ」と笑い、その噂を一蹴した。
中沢、谷両氏は園田会長を頂点とする現執行部には運営上の落ち度はなく、それなりの実績を残していることから、立候補しても勝ち目がないと考え ている。ところが、現執行部が次期会長候補者を擁立できないとなると話は違ってくる。一枚岩でなくなればシャッパも作りやすくなるからだ。執行部の動きを 見た上で対策を講じることも十分考えられる。
園田会長を担ぎ上げることができない場合、現執行部から名乗りを上げるのは、滋賀県人会会長の山田康夫氏だ。昨年、園田氏が会長を引き受けなければ、山田氏が受諾することを決めていた経緯があるからだ。
山田氏は、県連の業務や事業を熟知しているももの、母体の滋賀県人会が小さく、県連会長は無理があると言う意見も少なくない。その上、発言や行動が軽率なため、「もう少し慎んでもらわなければ」という執行部内の声もあり、山田氏で一本化するのも難しい。
園田会長は1月末には候補者の擁立を執行部に依頼しており、間もなく執行部としての意見が集約される。
2012年1月27日付
