来年3月か、7月の日本祭りに予定
ブラジル都道府県人会連合会(園田昭憲会長)主催の「東北被災地応援ツアー」の報告会が、12日午後2時から聖市リベルダーデ区の文協ビル会議室で開かれた。同会には県連の山田康夫副会長、文協の山下譲二副会長、岩手県人会の千田曠曉会長、福島県人会の小島友四郎会長、5人の同ツアー団員などが出席。同会では、ツアーで団長を務めた本橋幹久団長によるスライドを使った報告や参加者のツアーの感想発表などが行われた。
「最高に良いツアーだったと思う。最初の被災地にバスで行く際、バスガイドの一言目が『遠いブラジルからお越しいただいてありがとうございます』と言われて非常にうれしかった」と同ツアーの副団長を務めた小島会長は率直な感想を披露した。
続いて、本橋団長がスライドで写真を紹介しながら、被災地の現在の状況や印象に残っていることを説明。世界最大水深(最大水深63メートル)の防波堤だった釜石港湾口防波堤が津波が引いていく水力で湾の内側ではなく外側に倒れたこと、陸前高田市役所庁舎で2階に非難した人は助からず、屋上にいた人だけが生き残ったことや、仙台空港は高さ3・02メートルまで浸水した話などを紹介した。
また、いわき市久之浜町浜風商店街では店舗を運営する住民との交流も行われた。仮設住宅でできた商店街では、できるだけ被災した時のことを知ってもらいたいという思いで店内には震災時の写真や資料を展示している店もあったという。本橋団長によると、同商店街の人たちは影を感じさせず明るく振る舞っていたという。
同ツアーの3週間前に自身で被災地を訪れた千田会長は「がれきの町を見て何も言葉が出なかった。復興には長い年月がかかると思うが必ず復興すると思っています」と力を込めて話した。
宮城県内の実家が半壊、妹の家が全壊したという後藤信子さん(70、宮城)は「実際に被災地を訪れ、テレビで見た以上に大変な状況だと感じた。しかし、今回ツアーに参加して少し安堵(あんど)しました」と複雑な心境を語った。
大和司さん(87、徳島)は「復興が遅れているような気がした。日本は経済大国なのに」と失望した様子だった。
同ツアーに同行したガイドによると、今年9月に被災地に下見で訪れた時と2カ月経過した同ツアーで訪問した時と何も状況は変わっていなかったという。
なお、本橋団長によれば来年度の同ツアーの実施は未定。
同ツアーで被災地3県を訪問した際に提案された「東北被災者招へい交流事業(仮称)」では、来年3月11日か、日本祭りが開催される7月19日ごろに各県1人ずつ招へいするという。
招いた若者には被災県の被災者がどのように2年間過ごし、何を考えてきたのかをブラジルの若者たちの前で講演してもらい、同時に実施する復興写真展で被災地の現状をブラジル人に理解してもらう計画だ。
同事業は日系3団体共催で、予算は主に義援金の残りの「SOSジャパン」で賄うとし、不足した経費は県連の交流基金や岩手、宮城、福島県の各県人会で補っていくという。
現在、同事業に前向きな被災地3県の返事を待っている状況で、今後岩手、宮城、福島県の各県人会長が現在の進ちょく状況を確認して具体的な計画を詰めていく。
2012年12月14日付
