東日本大震災から1年がたった2012年、日系社会では一周忌法要を執り行うなど日本の復興を願う一方、県連主催ロードレースでの赤字問題が発生するなど、今年もさまざまな出来事があった。
【1月】
聖市のアパートなど不動産価格の高騰により、各県人会が所有する宿泊施設に人気が集まり、どの県人会もほぼ満員の状態となっていた。
日本国外で初めて沖縄空手十段を取得した与那嶺育孝さん(71)の認定証授与式が、沖縄県人会ビラ・カロン支部会館で行われた。
【2月】
パイロット・ペン・ド・ブラジル社が聖州ジュンジアイ市に建設する新工場の起工式を行い、同市長はじめ招待客約50人が出席た。
在サンパウロ日本国総領事館が日本の外務省の指示により、同月下旬から査証業務を民間企業(査証申請センター)に委託実施することについて、聖市日系旅行社などからクレームが相次いだ。その結果、総領事館側からの折衷案により、同センターとともに総領事館窓口でも従来通り、査証申請を受け付けることで問題を収束させた。
聖市出身の伯国力士・魁聖(友綱部屋)が入門以来6年ぶりに帰伯し、聖市ボン・レチーロ区の常設土俵場に家族らとともに姿を見せ、合同練習を行う後輩たちを激励した。
【3月】
東日本大震災から1周年を迎え文協記念講堂で日系5団体、仏教連合会、岩手、宮城、福島などの被災県人会合同の犠牲者追悼法要と復興祈願が執り行われた。また、サンゴンサーロ教会で日伯司牧協会の協力による追悼慰霊ミサも行われ、出席者たちは震災被害を受けた人々の一日も早い復興を願った。
神奈川文化援護協会定期総会が開かれ、10年に偽弁護士に公金約60万レアルをだまし取られた事件で刑事裁判の経過報告などが行われたが、偽弁護士の処分などについては現在も未定。
聖市リベルダーデ区の文協講堂の賃貸料の高さで老ク連などが別団体の会館を借りる事態になるなど、日系団体関係者からは「コロニアのひのき舞台」と称される文協記念講堂から足が遠のいている。
第3回ブラジル健康表現体操セミナー&フェスティバルが沖縄県人会館で開催され、会場が超満員となる約700人が参加。日本から来伯した全日本健康音楽研究会の斉藤千代子会長が講演したほか、集まった47グループが健康体操のデモンストレーションを披露した。
県連定期総会で役員改選が行われ、出席した36県の代表者は提出された単一シャッパを承認し、園田昭憲会長の続投が決定した。
聖市リベルダーデ区ガルボン・ブエノ街で営業してきた「明石屋宝石店」(尾西貞夫代表)が閉店し、約40年の歴史の幕を下ろした。同店は、5月下旬から同所で菓子店舗「SDB」として新装開店している。
【4月】
パラー州内の各県人会が一つに組織化された「北伯県人会協会」が発足。世代交代で日本語による母県とのコンタクトが困難になってきてい る現状から、同協会が煩雑な事務書類の代行や各県人会活性化のサポートをすることなどが目的で、初代会長には、山本陽三氏(北伯香川県人会会長)が選任さ れた。
在聖総領事館が査証業務の一部を民間委託する「日本査証申請センター」(CVJ)が、営業を開始した。
08年9月のリーマン ショックによる世界経済危機で失業者が激増し、帰国費用を厚生労働省が負担する「日系人帰国支援事業」実施から3年がたったが、「帰国支援事業の条文は3 年経過したら無条件で解禁すると書いてあるわけではなく、日本の経済・雇用状態を検討する、となっている」とし、日本政府は現在も結論を出していない状況 だ。
【5月】
12年世界1周クルーズとして「飛鳥(あすか)Ⅱ」が、サントス港に到着。フリーライターの日下野良武氏が南アフリカのケープタウンから乗船し、伯国ベレンまでの26日間にわたって「ブラジルの日系人の活躍」など講演を行った。
ブラジル錦鯉愛好会主催の第31回ブラジル錦鯉品評会が聖市アグア・ブランカ(聖州農業試験場)で開催。65部「大正三色」を出品したスザノ市在住の田邉治喜さん(64、福岡)が総合優勝を果たした。
【6月】
ブラジル日本移民104周年の記念行事が各地で開催。聖市内では毎年恒例のサンゴンサーロ教会での慰霊ミサ、イビラプエラ公園内開拓先亡者慰霊碑前と聖市 リベルダーデ区の文協記念講堂でそれぞれ仏式法要が執り行われ、先人が築き上げてきた貢献をしのぶとともに、今後の日系社会及び伯国社会のさらなる発展を 祈願した。
国連持続可能な開発会議(リオプラス20)への出席などを目的に、公益財団法人オイスカ会長でオイスカ・インターナショナル総裁の中野良子氏が来伯。日系団体関係者約30人を前に、東日本大震災復興を目的とした「海岸林再生プロジェクト」の取り組みなどを説明した。
タボン体育文化協会(木曾光紀会長)創立80周年記念式典が同協会で開催され、創立当初はブラジル学校として始まった日本語学校の継続を強調。先亡者慰霊祭が行われ、先駆者たちが築いた歴史を出席者たちで振り返った。(つづく)
2012年12月25日付
