1月のリオ州での水害に続き、3月に未曽有の大災害となった東日本大震災に対しブラジル各地からの義捐金支援活動を行うなど、天災に見舞われた1年となった2011年。日系社会では今年も、様々な出来事があった。
【1月】ジルマ新大統領の就任式に、日本国特派大使として出席した麻生太郎元首相をはじめ、河村建夫、中井洽、黄川田徹各氏の3衆議院議員を合わせた4人が来聖。日系社会関連では開拓先没者慰霊碑参拝、出身県人関係者との懇談会をそれぞれ行った。
リオ州で豪雨の影響により洪水や地すべりなどの災害が相次いで発生。ペトロポリス、ノーバ・フリブルゴで土地が浸水したほか、テレゾーポリスでは日系人3人の死亡が確認されるなど、大きな被害を受けた。
聖市リベルダーデ区ガルボン・ブエノ街のアパートに18にも及ぶ強盗グループが押し入り、拳銃などで脅して日本人や中国人宅など約10軒に侵入し、現金や貴金属類などを強奪する事件が発生した。
「日本の食糧供給パートナーとしての南米日系農業者」を全体テーマに第11回南米日系農協活性化セミナーが、聖市内ホテルで開催。その一環として日本を代表するジャーナリストの池上彰氏による基調講演も行われた。
平成22年度NHK全国俳句大会と同短歌大会の俳句部門で、聖州ミランドポリス管内第1アリアンサ在住の新津稚鴎氏(95、本名=英三、長野県出身)が特選の中でも大賞を受賞する快挙を果たした。
【2月】大相撲の八百長問題で日本相撲協会が3月の春場所中止を正式に決定したことが日系社会にも大きなショックを与え、NHKによる相撲観戦を楽しみにしているファンからは不満の声が上がった。
以前から中国系レストランなどから出される生ゴミが、清掃車が来ない昼間から放置され、文協ビルの角やバロン・デ・イグアペ街の一部などでゴミの腐臭が漂っていることが問題となった。
ブラジル講道館柔道有段者会名誉会長の岡野脩平氏たちが中心となり、日系社会で初めての『柔道史』編纂の準備が進められた。『柔道史』は、リオ五輪が開催される2016年をめどに完成が予定されており、「創生期」「復興期」「全盛期」の大きく三つの章に分け、500ページにおよぶ大作が期待されている。
「K.K.TOMODATY’S」(花村カルロス年夫代表)に託送した荷物が不着になっている事件が相次いだ。同社は前年に倒産し、荷物を処理しないまま経営者がブラジルに帰国したことが判明。同社が使用していた倉庫には、2千個ほどの荷物が放置されたままになっていた。
日本相撲協会が今年の初場所で十両勝ち越しを果たした魁聖(リカルド・スガノ=24、3世、友綱部屋)が事実上の新入幕扱いとなったことを発表。ブラジル出身力士として初の「幕内入り」という快挙を果たした。
【3月】柿収穫祈願祭と第5回4州果樹生産者技術交流会が聖州ピラール・ド・スールで行われ、サンパウロ、パラナ、ミナス、サンタカタリーナ各州から約100人が参加し、今年6月に帰国したJICA派遣シニアボランティアの浦田昌寛氏の実践的指導に聞き入った。
リオデジャネイロ市内で自分の荷物を盗まれたと地元観光警察(DEAT)に届け出た日本人観光客が、保険金目当ての詐欺事件だったとして地元警察に逮捕された。
日本の国難である東日本大震災発生により、日系社会にも大きな衝撃が走った。被災地県人会や日系3団体が中心となって日本への義捐金を受け付 け、ブラジル各地の日系団体及び非日系人からも義捐金が寄せられた。10月の海外日系人大会での発表では、伯国日系社会からだけで約6億円の義捐金が送ら れたことが報告された。(つづく)
2011年12月23日付
