新潟県が実施する「農業青年等国際交流推進事業」で12日から3人の青年が来伯し、各地の農業現場で見聞を広めた。1989年に同県農業者のブラジル派遣として始まった同事業。92年から新潟への研修生受け入れが加わり、隔年で相互交流を行っている。
今回来伯したのは金子健斗さん(19)、宮本敦史さん(28)、永嶋良一さん(27)。それぞれ同県で米や野菜、ハーブなどの栽培を手がける。
着伯後はサンパウロ市のセアザや開拓先没者慰霊碑、アチバイアの花卉栽培農家、カンピーナス東山農場などを訪問。16日から国内有数の果実産地、北東伯のペトロリーナ、ジュアゼイロを訪れ、ブドウやマンゴーなどサンフランシスコ川の水を利用した大規模灌漑(かんがい)農業を目の当たりにした。
その後はロンドリーナを訪れ、県人会北パラナ支部(間嶋正典支部長)会員らとパラグアイへ。新潟出身の故・市村之さん(元ウライ市長)が開いた1万ヘクタールの農場で巨大な農業機械を使った大豆栽培の現場を知った。市村家が牛、豚の丸焼きを用意、支部新年会も兼ねてにぎやかな時を過ごしたそうだ。
帰国日の23日には聖市の新潟県人会館で送別昼食会が開かれ、会員、関係者ら十数人が参加。南雲良治会長夫妻手作りのフェイジョアーダを味わいながら歓談した。
南雲会長は研修を振り返り、研修生の世話を引き受けた各地の会員ら関係者へ感謝。「新潟の研修生は大変恵まれていると思う」と話し、無事の帰国を願った。
3人にとっては初めて目にしたブラジル、南米の農業。金子さんは「農家の人たちからさまざまな話を聞くことができた。自分の農業に少しでも研修が役立てると思う」と感想を述べた。
「毎日新しいことばかり」。永嶋さんは「ブラジルはどんな作物も育つところ。これからもっと日本の人はブラジルに行くほうがいいと思う。帰ったら周りの人に伝え、自分もブラジルのことを勉強してまた来ようと思います」と話した。
「ブラジルの農業に日系の人の力が役に立っていると感じた」。宮本さんは日本では見られない大型機械やGPSを使った農業に触れ、「カルチャーショックなくらい良い経験だった」と振り返る。バスで鞄を盗まれるという残念な出来事もあったが、「皆さんにとても親切にしてもらってここまで来れたと思います」と笑顔を見せた。
アチバイアで2日間研修生の世話をした佐藤平八さん(71)は、10年以上前から毎回青年たちを引き受けている。「若い青年といろいろ話して、私たちも力をもらえる。息の続く限り交流は必要だと思います」と話していた。
2013年1月29日付
