「内容がよく分からない」との声も
ブラジル日本都道府県人会連合会の園田昭憲会長は10月20日、聖市ビラ・マリアーナ区の三重県人会館で行われた10月度代表者会議の席で、執行部会において「県連、県人会活性化基金」の設立を承認したと発表した。初年度である今年の基金額は5万レアルで、運用期間は2011年10月から12年9月まで。基金からの助成金を希望する団体は規定の応募用紙に必要事項を記入し、県連執行部会で過半数以上の賛成があれば認められる。返済の必要はない。
同基金の設立は、県連がフェスティバル・ド・ジャポンで出た収益を有効に活用して、県人会や県連を活性化させることを目的としており、さらなる日伯交流の拡大を目指すもの。
対象となるのは、各県人会、県連、県連関連団体(ふるさと創生協会、ASEBEX)など。
年度別に基金を県連口座に積み立て、次年度以降は基金増額を計画している。
基金利用の条件としては、福祉、文化、スポーツ、親睦、出版、交流のいずれかに基づくもので、県連会員は会費の滞納がない者。県連は申請額の20~80%の交付を行う。
基金について9月度会議で園田会長は「この際きちんと立ち上げてはどうだろうか」と設立構想を明らかにし、それから約1か月で基金を設立したことになる。
当日、基金について園田会長が説明するも、会議出席者からは「助成基準など決まっていないことが多すぎて内容がよく分からない」との声が続いた。これについて山田康夫副会長は「詳細については、今後決定して報告する」と述べるにとどまった。
県連の財政状況を危惧
「金がなかった頃を忘れるな」
ブラジル日本都道府県人会連合会(園田昭憲会長)は7月に行われた第14回フェスティバル・ド・ジャポンで約30万レアルの利益を計上し、10月20日には「県連・県人会活性化基金」を立ち上げた。
しかし、同基金の制度や内容については不透明の部分が多く、特に助成金扶助基準などは全く定められていない。この部分を突き詰めて議論することなく見切り発車で基金を運用すると、いずれ大きな問題になることが容易に想像できる。
ある県人会の会長は「金のことで県連がゴタゴタするのは嫌だ。今、県連はようやくフェスティバル・ド・ジャポンで黒字を出せるようになってきた。舞い上 がってしまい、お金のない頃を忘れてしまっている。きちんとした制度を確立しないと絶対に問題になる」と現在の県連執行部の振る舞いに対してくぎを刺し た。
また、基金は資金を貸し付ける利子で運用していくものだが、同基金は返済義務がないことから県連がフェスティバル・ド・ジャポンで黒字を出し続けることが基金継続の条件となる。
また、「県連の利益は執行部が自由に使える金ではない。基金設立は定款に本当に則しているかよく議論しなければならない。執行部会だけではなく臨時総会の承認も必要なのでは」と疑問を投げかけた。
さらに、二転三転した県連事務所移転についても「接客対応に不都合が生じているというが、そんな偉い人が年に何回来るのか。将来、もし県連が文 協を出ようとすると誰がその場所を買うのか。商業施設は入れないのだから、おそらく誰も入ることはないだろう。買い手のない、価値のない資産になるのは目 に見えている。移転自体にメリットがない」と執行部の長期的視点の欠落を嘆いた。
園田会長は、海外日系人大会などに参加するため訪日し10日間ブラジルを留守にしていた。現在の執行部は、速断即決で物事を推し進めていく馬力 はあるが、同時に長期的な視点と足元をすくわれない思慮深さも必要だと言える。いずれにしても、コロニアを牽引する県連が信頼を失うことは許されない。
2011年11月4日付
