里帰り訪日使節団
本紙の説明会に23人が出席
サンパウロ新聞社と公益財団法人海外日系人協会(山田啓二会長)の主催で実施する里帰り訪日使節団団員に選ばれた人たちの説明会が、12日午後1時からサンパウロ市リベルダーデ区にある本紙社屋で行われた。説明会にはサンパウロ州内在住の団員や付き添い、代理の家族ら23人が出席。日程の説明や諸注意が伝えられた。
里帰り訪日使節団は、東京に本社を置く竹内運輸工業株式会社の竹内政司社長の厚意で資金提供が決まり、昨年9月に団員を募集、同11月に応募者約30人の中から20人が選ばれた。その後、パスポートやビザの取得を行い、航空券の準備が整ったため、12日に説明会が開かれた。席上、団員の自己紹介の後、旅行日程の確認や注意事項などの説明が行われた。
日本にも同伴する夫とともに来場した団員の寺下さよ子さん(64、広島)は9歳で渡伯。夫の悦朗さん(64、2世)は訪日が決まってからのさよ子さんについて、「何を食べたいのかよく聞かされている。お好み焼きがおいしかったことを覚えている」と語った。さよ子さんは「ブラジルでもお好み焼きを食べたが、広島のものとは違った。ソースが違うのだろうね」と話し、久しぶりに本場のお好み焼きを食べることを楽しみの一つに上げた。
寺下さん夫婦の子どもは全員日本在住。訪日中に娘が出産する予定だという。さよ子さんは「胸がドキドキ」と満面の笑みで訪日を控えた心境を話した。
来伯72年目で初めての訪日が現実となる森広秀夫さん(83、岡山)は1人で日本へ向かうが、説明会には弟の雅夫さん(81、同)と参加した。雅夫さんは「兄は日本へ帰りたいと言っていたが、仕事もありチャンスがなかった。パスポートも10年間有効なものを持っていたが、機会がなかった」と、ようやく実現する兄の帰国をともに喜んだ。
秀夫さんは帰国後の予定として「自分が通っていた小学校へ行きたい」と真っ先に思い出の場所を口にした。小学校に6年生まで通い、家族とブラジルへ渡った秀夫さん。手元にある写真には73人のクラスメートが写っているという。「同級生に会う。行ってみないと分からないが、3分の1くらいおるかな」と72年ぶりの再会を待ち切れない様子だった。
加藤藤司さん(81、秋田)に付き添い訪日する娘のカンザワ京子クレオザさん(53、2世)は「父は1回でいいから秋田へ帰りたいと言っていた。私も日本に行くのは初めて。夢だった」と目を細めた。
自己紹介で「妹が申し込んだ」と話した吉永松下文子さん(59、長崎)は、初の帰国を控えやや緊張した面持ちで訪れた。妹も説明会に訪れ、熱心に聞き入っていた。
それぞれの思いを乗せた飛行機は今月31日に日本へ向け出発。団員、付き添いなど含めた合計35人の一行は4月18日まで日本に滞在し、同19日に帰国する。
2013年3月14日付
