ブラジル南部4都市を訪問
過去2番目に多い163人が参加
県連(園田昭憲会長)主催の「第39回移民のふるさと巡り」一行は3月22日~27日の6日間、サンタ・カタリーナ州ジョインビレ、イタジャイ、サンジョアキン、サント・アマーロ・ダ・インペラトリスの4カ所を訪れた。今回の参加者数はスタッフ12人も含めて計163人と、北伯を訪れた第32回ふるさと巡りの211人に次ぐ記録になった。参加者は多かったが大きなトラブルも無く、一行は各地で交流を楽しんだ。(毛利健人記者)
一行は初日、定刻通りの午後10時に日本移民の中心街であるサンパウロ市リベルダーデ広場から、サンタ・カタリーナ州に向けてバスで出発した。
翌朝、サンタ・カタリーナ州に入ったバスの窓には多くのピーニャ(パラナ松)の木が映っていた。皿のように平べったく広がった枝が特徴のこの木は、地域の植生独特のものだ。湯がいて肉と一緒に食べるのがカタリネンセ流だという。
サンパウロから南に約530キロ離れた、ジョインビレに到着したのは翌日午前8時。ジョインビレは州都フロリアノーポリスをも上回る約52万人の人口を有し、多くのブラジルIT企業本社が集積する同州最大の都市だ。この街の歴史は1851年にドイツ系とスイス系移民が入植したことに始まり、現在でも人口の9割がドイツ系を中心とするヨーロッパ系の人々だ。ドン・ペドロ1世の娘であるフランシスカ・カロリーナと、夫でフランス人のジョインビレ公の別荘が建てられたことから、やがてジョインビレと呼ばれるようになった。
朝食を終え、一行はバス別に市内観光を行った。1号車がまず向かったのはアイロン博物館だ。ジョインビレが古くから「サンタ・カタリーナのマンチェスター」と呼ばれるほどの工業都市であったことは有名だが、そんなジョインビレ出身の実業家でアンティーク収集家のモアシール・ボゴ氏が、世界中から集めた古今東西のアイロン約500点を「人間の生活に基づいた、世界各地の異なる工業発展の歴史を知ってもらいたい」との思いから、寄贈したことがきっかけで造られた博物館だ。
中には古代中国のアイロンから現代の電気スチームアイロンまで並んでいたが、中でも特に一行の目を引いたのは1940年代ごろのアイロンだ。当時の圧縮式や木炭式のアイロンを見て、「昔の日本では布団の下に服を敷いてアイロン代わりにしてたわね」「私は木炭式のを使って、やけどしたことがあるわ」などと、特に女性陣の昔話が盛り上がっていた。
続いてバスが向かった先は自転車博物館だ。一説には19世紀にドイツ人が自転車の元祖を開発したとも言われるが、ジョインビレに移住したドイツ系移民の多くも古くから移動手段として自転車を用いており、今もなお街中には多くの自転車が走る。この博物館はそのようなジョインビレの歴史的経緯から、市政150年を記念して造られた。
中には50年代の日本の自転車や世界一周した自転車、インドの自転車タクシーなどさまざまな自転車が飾られていたが、中でも一行に人気を博したのは、ハリウッド映画「E.T.」に出てきた、エイリアンを前かごに載せた自転車のレプリカ。皆横に立って記念撮影をしていたが、ある高齢の参加者の1人は、エイリアンのしわくちゃの顔を見て「親戚に久しぶりに会えたわ」と冗談を飛ばし、笑いを誘っていた。(つづく)
2013年4月9日付
