女性会長と団結する若い会員たち
ブラジル岩手県人会(千田曠曉会長)が創立55周年の記念式典を8月18日に、母県から慶祝団(達増拓也知事団長)を迎えて開催されるが、パラグアイ、イグアス移住地の同県人会も今年、創立50周年の節目の年に当たる。それに合わせ慶祝団は同移住地へも訪問し、22日に式典を開催する。5月18日、本紙記者が同移住地を訪れた際、同県人会の小原和子会長(66)と相談役の武田一幸さん(64)に現在の県人会の様子と50周年に向けた取り組みについて取材した。(川口裕貴記者)
小原会長が会長に就任したのは昨年1月。同県人会員の推薦で、女性会長は初めてだという。過去にイグアス日本語学校で教師として20年程在籍しており、「人前に慣れていて人望も厚く、満場一致の推薦だった」と武田さんが当時の役員改選の状況について説明した。
小原会長に「女性ならではのこだわりは」と質問すると、「特に意識はしていないが、会員が楽しめる運営を心掛けている」と答え、年に1度同県人会が参加しパラグアイ人が主催する「エキスポ(見本市)」で、10年近く「わんこそば」の販売を婦人部が中心となって行っている行事を例に挙げて説明した。
数年前まで同エキスポで得た収益のすべては、同県人会の運営費のみに充てられていたという。当時婦人部員として参加した小原さんは「いくら頑張っても成果が出ない」と複雑な気持ちを婦人部が持っていたのを感じていた。会長就任後、その気持ちに気を配った運営に心掛け、利益の一部を会員に還元。また慰安旅行としてピクニックを主催するなど婦人部目線で会長として改革を進めた。
そうした運営努力は会員の団結にもつながり、今回の同式典などの企画が舞い込んだ際、会員全員が団結して運営に取り組む環境作りにつながっているとい う。現在同県人会会員は26世帯、100人前後。会員の中心は40代の2世が中心で、ブラジルの各県人会からすると事情が違い、若い世代が活動の中心にあ る。式典にもほとんどの会員が参加するという。
母県の事情として震災が発生した年から、それまで毎年欠かさず支給されていた補助金10万円が カットされるなど苦しい事情もある。しかし、「会員が集うと和気あいあいとした独特な雰囲気になる」と述べ、「母県やブラジルからの慶祝団にその空気を感 じてもらえたら」と笑いながら答えた。
慶祝団一行は20日にアスンシオン岩手県人会(長沢聖太郎会長)、翌日にはピラポ岩手県人会(西 舘世公会長)の県人会員とそれぞれ交流会が予定されていている。慶祝団は県関係者をはじめ、郷土芸能使節団も数人同行して各地でうたや踊り、三味線が披露 されることとなっている。
またパラグアイの式典では武田さんが指導を行っている岩手郷土芸能の「さんさ踊り」や「鬼剣舞」も学生が中心となり披露される予定。現在、練習に余念がない状態だという。慶祝団は南米の各岩手県人会のそれぞれの事情を肌で感じることとなりそうだ。
2013年6月7日付
