海外とのネットワーク強化を
【福岡発・吉永拓哉福岡支局長】世界9カ国に21カ所ある福岡県人会同士の交流や活性化を目的とした『第8回海外福岡県人会世界大会』の記念式典が9日、福岡市内の西鉄グランドホテルで行われた。世界大会にはブラジル福岡県人会(南アゴスチンニョ会長)、ベレン福岡県人会(小野重善会長)、トメアスー福岡県人会(加藤広行会長)をはじめ、中南米、北米、アジアから約300人の県人会会員が来日し、母県の関係者らを合わせると出席者600人もの盛大な式典となった。
海外福岡県人会世界大会は1994年から3年おきに実施されており、8回目となる今回は(公財)福岡県国際交流センターが主管して母県で開催した。
新宮松比古大会実行委員長(同センター理事長)の開会宣言に始まり、小川洋福岡県知事があいさつ。「大会テーマは『ルーツは福岡 夢は世界へ 未来につなごう 福岡の絆』です。この大会を機に故郷福岡と海外県人会のネットワークがさらに強くなることを願います」と述べた。
続いて海外県人会を代表し、南加福岡県人会(在ロサンゼルス)の宗伸之会長は「県人会同士で共通の話題、悩み、出来事を語り合い、お互いにアイデアを出し合って次世代の福岡県人会につなげていきたい」と抱負を語った。
式典ではこの後、小川知事から各県人会長へ感謝状や記念品が贈呈され、最後は地元小学生たちによる『ふるさと』のコーラスに合わせて場内全員で合唱した。
引き続き行われた歓迎レセプションでは、小倉祇園太鼓や博多祇園山笠など郷土の芸能が披露される中、各県人会と母県の人たちが楽しそうに歓談した。
ブラジル福岡県人会副会長で、同県費留学生OB会長の福永ミルトンさん(51、会社経営者)は、88年に九州産業大学で経営学を学んだ。その時の 留学経験が今の仕事に生かされているという。「私の目標は、県費留学生OBと福岡の企業を結ぶこと。これが次世代の福岡県人会と母県の発展となる。今回は そのための交流でもある」と福永さんは意気込んでいた。
レセプション会場の端で椅子に腰かけていた靍我(つるが)昌則さ ん(90)は、住まいの筑豊地方から会場へと足を運んだ。靍我さんの弟・博文さんが54年前に単身でブラジルへ渡り、モジ・ダス・クルーゼス市で長年農業 を営んでいたという。博文さんは世界大会への参加を楽しみにしていたが、渡航手続きをしていた最中の今年8月2日に自宅で亡くなった。享年77歳だった。
靍我さんは会場を眺めながら「わしは弟を訪ねて平成元年にブラジルへ行ったことがある」と、在りし日の博文さんとの思い出を懐かしんだ。
本来なら博文さんと一緒に来日するはずだった妻の敬子さん(81、福岡県出身)は、ブラジルから博文さんの写真を持参して会場入りした。「夫がいなくて不安でしたが、どうにか故郷まで帰って来れました」と、目にうっすら涙を浮かべてほほ笑んだ。
なお、同大会は3日間にわたり、代表者会議、ブラジル経済セミナー、企業視察、県人会フェアなどが行われた。
2013年10月12日付
