ニッケイ新聞 2014年3月12日
「復興に向け、着実に一歩ずつ」。岩手、宮城、福島の3県人会が11日午後2時から、宮城県人会館で『東日本大震災3周忌追悼式』を行った。震災発生日に合わせた平日開催にも関わらず、約100人が集まり犠牲者に黙とうを捧げた。防災関係者による講習や、各県知事から復興に向けた近況報告も寄せられ、3県は当地からの支援に感謝する一方、復興に向けた着実な成果を報告した。
岩手県人会の千田昿暁会長があいさつに立ち、「未曾有の被害から丸3年。故郷に戻れない苦しさを抱える中での生活が続くが、平穏な日々が1日でも早く戻るよう願う」と述べ、黙とうが捧げられた。
県連を代表しあいさつに立った秋田県人会の川合昭会長は、「復興に立ち向かう姿勢は、同じ東北人として誇りに思う。がんばれ日本、がんばれ東北!」と力強くエールを送った。
そのほか日系団体関係者、在聖総領事館から佐野浩明首席領事、ブラジル国防局からアルミン・ブラウン局長代理もかけつけ、同氏は「自然災害に対する日本の対応力は世界一だと思う。我々は日本から防災を学び、政府は子どもたちへの防災教育を強化している。明るい未来のため、被災地の早期復旧を心から信じている」と願った。
3県知事からの現状報告で岩手県の達増(たっそ)拓也知事は、「水産業の水揚げ量は平年の約7割まで回復。4月には三陸鉄道が全面開通する」と明るい話題を提供し、宮城県の村井嘉浩知事は「今年度までに、災害廃棄物の処理が完了する見込み」と復旧に向け着実な成果を挙げている様子を発表した。
原発事故のあった福島県の佐藤雄平知事は、「風評被害はいまだ根強い」としながら、実証実験が始まった洋上風力発電に触れ、「新たな産業を創出する取り組みも動き出している」と報告した。
震災以降に撮影された被災地の映像が放映され、仮説住宅や復旧が進む港町、被災により雑草の生える宮城県仙台市内、中浜小学校の建物だけが残った同県山元町の様子などが紹介された。
最後に福島県人会の永山八郎会長が各関係者への感謝を示し閉会。宮城県人会の中沢宏一会長は、「帰郷したいという被災者が減る中、女川町は従来の計画から規模を縮小し、復興の成功例とされている。震災前の街から形を変えながらでも、柔軟な復旧が必要だ」と語った。
海と大地と共に生きる故郷=岩手県 達増拓也知事
東日本大震災3周忌追悼式が、ここサンパウロにおいて開催されますことを、岩手県民を代表して心から御礼申し上げます。
震災での津波発災以降、ブラジルの皆様をはじめ、世界各地からたくさんの温かいお見舞いや激励、義援金の提供など、改めて心から感謝申し上げます。
発災から本日で3年となりますが、岩手県においてはこれまで「安全」「暮らし」「なりわい」の3つの原則に基づいて、復興の基盤づくりに全力で取り組んできました。
その結果、災害廃棄物の処理に目途が付き、応急仮設住宅からの移転先となる、災害公営住宅では敷地となる事業用地の約6割を取得し、さらに水産業の水揚げ量は平年の約7割まで回復しています。一部運行していた三陸鉄道も4月には全線が復旧します。
これからは将来にわたって持続可能な、地域社会の構築を目指す「本格復興」に取り組む期間です。県ではその一年目となる今年を、「本格復興推進年」としています。
復興計画に掲げる復興の目指す姿、「いのちを守り 海と大地と共に生きる ふるさと岩手・三陸の創造」を実現するため、住民が復興に参画し、県民がひとつとなって進んで参りますので、より多くの皆様の一層の御支援、御協力をお願いするものであります。
結びに、この度の3周忌追悼式の開催に御尽力されました、関係者の皆様に深く感謝申し上げますとともに、御参会の皆様方のますますの御活躍と御健勝を心からお祈り申し上げます。
今も応急仮設住宅暮らし多い=宮城県 村井嘉浩知事
本日、ブラジル宮城県人会をはじめとする東日本大震災の被災3県人会共催の下、本式典を開催いただきますことに、心から感謝申し上げます。
時間の経過とともに、震災の記憶の風化が懸念される中、多くの皆様の御尽力により、遠く離れた御地ブラジルでこのような催しが開催されますことは、被災地で復興・復旧に取り組む私たちにとりまして、大変励まされるものであります。
震災から早くも3年が経過いたしますが、沿岸部を中心に今なお多くの方々が応急仮設住宅などでの不自由な暮らしを余儀なくされており、経済活動の基盤回復についても、まだまだ課題を抱えた状況にあります。
しかしこうした中におきましても、本県では今年度までに、災害廃棄物の処理が完了する見込みとなるなど、復旧・復興への歩みは着実に進んでおります。
今後も被災者の生活再生に向けた施設の復旧・復興やまちづくりを一層加速させるとともに、創造的な復興に向け県民一丸となって取り組んでまいりますので、引き続き御支援を賜りますようお願い申し上げます。
新産業を創出する取り組み=福島県 佐藤雄平知事
本日ここに東日本大震災3周忌追悼式が執り行われるに当たり、福島県民を代表し、謹んで追悼の言葉を捧げます。
開催に御尽力いただきました3県人会を始め、関係者の皆様に心から敬意と感謝の意を表します。
県では地震と津波、原発事故により、あらゆる分野で甚大な被害を受け、風評も根強く残るなど厳しい状態が続いております。
一方世界中の方々から温かいご支援と、県民の努力により、着実に元気を取り戻してまいりました。企業の生産活動や、観光地の賑わいも戻りつつあります。
本県沖では、世界最大規模となる浮体式洋上風力発電の実証実験が始まり、再生可能エネルギーや医療機器関連といった本県の未来を拓く鍵となる新たな産業を創出する取り組みも動き出しております。
県内農産物につきましても、米の全量全袋検査を始めとして、生産、流通、消費の各段階において放射性物質検査をしっかりと行うことにより、国内外の皆様に安心して食べていただけるよう取り組んでおります。
環境の回復、農林水産業の再生、観光の振興、雇用の創出などを着実に進め、一日も早く復興を成し遂げてまいりたいと考えております。
福島に思いを寄せてくださる方がいらっしゃること、これが復興への大きな支えとなります。これからも「ふくしまから はじめよう。」〃Future From Fukushima.〃を合言葉に、全力で取り組んでまいりますので、引き続きご支援をいただきますようお願い申し上げます。
