日系社会とのパートナーシップ強化
独立行政法人国際協力機構(JICA)中南米部が展開する「第3回中南米民間連携調査団」が19日来伯し、20日午後6時過ぎからサンパウロ(聖)市リベルダーデ区のブラジル日本都道府県人会連合会(県連)事務所(文協ビル5階)で、県人会との意見交換会を行った。同調査団は、日本の民間企業と日系社会とのパートナーシップを強化し、中南米諸国の経済、社会開発に貢献する案件形成に資する情報を収集することを目的としている。
昨年2月と7月の派遣に続き、3回目となる今回の調査団は、防災、環境、廃棄物関連、エネルギー等を取り扱う日本の民間企業15社のほか、公益財団法人海外日系人協会、JICA本部などから計18人で構成され、ブラジル、ペルー各国の日系企業などを今月31日まで視察する。
意見交換会には、JICA聖出張所から村上ビセンテ民間連携班長、遠藤浩昭次長、田井中良子同調査団調整員が出席。日系団体からは、本橋幹久県連会長、山田康夫同副会長、木多喜八郎文協会長のほか、参加企業の所在地がある各都道府県人会の代表者らが集まった。
木多、本橋両会長、小原学JICA中南米部計画・移住課課長のあいさつに続いて各企業や県人会の代表者らから自己紹介が行われ、その後は自由に席を移動しながら意見交換した。
日系2世が代表取締役社長を務め、昨年から小型風力発電機販売の新規事業を始めたブラステル株式会社のプロジェクトリーダーを務める鈴木光雄氏 (59)は、「低料金で設置しやすい小型風力発電機を奥地など電力不足の地域にある日系農家に普及させるため、ブラジルで製品を生産してくれるパートナー を探しに来た。中小企業なので資金や人材は多くなく、法制などでも参入の壁はあるが、JICAのODA(政府開発援助)に組み込んでもらうなど、政府レベ ルでの協力も巻き込みながら段階を踏んで参画していけたら」と参加した目的を明確に語った。
地震観測機を取り扱う白山工業株式 会社で社会連携防災教育推進を担当する黒田真吾氏(33)は、「地震を正確に観測、再現し、防災につなげる仕事をしている。地震がほとんどないブラジルで はビジネスチャンスはないと思っていたが、例えば日本祭りの中で東日本大震災の地震を再現して追体験してもらうことができるのではないかなどと皆さんと話 しながら思いついた」と話し、充実した意見交換がなされたようだ。
同調査団についてJICAの小原課長は「民間の技術を使って都市問題の解決など地域開発にも力を入れているのが特徴。中小企業にとってハードルが高い中南米進出の窓口として日系社会のネットワークを使わせてもらえれば」と述べた。
本橋会長は「今まで母県とは留学制度などの人の交流はあったが、企業を絡めた経済的な関係を支援するのは初めて。母県におんぶに抱っこではなく、こちらが貢献できるような活動もしていけたら」と新たな動きへの期待を見せていた。
2014年5月29日付
