都市計画部門での交流を活性化
大阪市とサンパウロ(聖)市が今年姉妹都市提携45周年を迎え、大阪市の田中清剛副市長や床田正勝同市会議長、あるいは大阪・サンパウロ姉妹都市協会の吉川秀隆会長らで構成された24人の訪問団が来聖した。訪問団は、8月25日のセミナーで大阪市の魅力をアピール。また翌26日は、記者会見を開き、記念レセプションでは在聖総領事館、日系団体等の関係者と交流した。
両市は提携以降、行政レベルでの交流のほか、日・ポ語スピーチコンテストや留学生派遣などの事業も行っている。6年前の移民100周年時に、大阪市から来伯した議員もいるが、同市が訪問団を形成し、聖市に派遣するのは20年ぶり。
26日の記者会見では、今回来聖の目的が45周年の慶祝と都市計画部門での意見交換が主だと説明。同部門については、前日のセミナーで具体的に発表があり、自動車に頼らず、公共交通機関、特に鉄道の利用を前提に組み立てる大阪市の都市開発や沿線開発モデルを解説した。
同市都市部では、500メートル歩けばどこかの地下鉄の駅にぶつかり、ラッシュ時には2分に1本電車がやってくる。また電車は5分遅れるだけで遅延証明書が発行されるほど機能している、などの話には100人が集まった会場からどよめきが起こっていた。
聖市も大阪市同様、都市開発で公共交通機関を中心とした民間の力を生かした街づくりを画策しているといい、田中副市長は、「大阪のやり方を、聖市に押し売りするようなことはあってはならない」と前置きしたが、今後継続的に大阪市の技術やノウハウを提供していく。
さらに両市は、環境部門でも6年前から互いに専門家を派遣し技術交流を行っている。今年5月にジョゼ・アメリコ聖市議会議長が大阪市を訪問した際にも話し合われたそうだが、現在聖市のゴミ焼却処理政策において、両市交流の成果が出ているという。
また田中副市長によれば、日本ではここ数年、異常気象による河川の氾濫など、これまでになかった新しい災害への対策が行政課題となっている。同様に聖市でも、河川の洪水が大きな問題となっており、「大阪の河川工事の施策などが使えるのでは」と期待を込めた。
他に、大阪市は観光分野にも注力しており、大阪市と大阪府が共同で大阪観光局を設立し、民間の力による同分野の活性化を促している。大阪市経済戦略 局長の井上雅之氏は「ノービザ協定に向けた働きかけは必要」としながらも、「大阪の粉物などの食、上方歌舞伎や文楽、能などの伝統文化を、大阪のブランド として日系人の方に案内したい」と話した。
訪問団一行はその後の聖市滞在で、大阪なにわ会への訪問や、イビラプエラ公園内の慰霊碑参拝などを行った。
2014年9月6日付
