栗崎会長「伯国の行事で披露したい」
【一部既報、福岡支局・植木修平】ブラジル長崎県人会(栗崎邦彦会長)は10月11日、長崎市内の長崎女子高校(小野良介校長)を訪問し、同校の龍踊(じゃおどり)部から龍踊りの指南を受けた。県人会は前日に創立50周年を記念して長崎市から龍体の寄贈をされており、帰国後はブラジルで長崎の伝統芸能を継承することを目指している。そのため、一から龍踊りを学ぶために日本で唯一の龍踊部を持つ同校の門をたたいたというわけだ。
龍踊りとは元々、五穀豊穣を願う中国の神事に始まったもので、雷雨を呼ぶと信じられている龍を巧みに舞わせる踊りだ。これが中国からの渡来人が多かった長崎にも伝わり、唐人屋敷に住む唐人から手ほどきを受けた日本人によって独自の発展を遂げ、300年以上の歴史を持つ。
通常、龍踊りは龍が追う玉を持つ「玉使い」1人と龍体を操る「龍衆(じゃしゅう)」が10人。それに銅鑼(どら)やラッパなどを奏でる楽隊十数人 で構成されている。今回県人会員に指南した長崎女子高の龍踊部は史上初めて女性のみで「龍踊り」行う唯一の団体で、部員数は73人。県内外の催しで頻繁に 龍踊りを披露している。
同県人会ではかねて母県の伝統芸能を青年部を中心とした若者に担わせ、ブラジルで継承することで、日本文化をより発信できないかと考えていた。そのため今回、長崎市からの龍体寄贈を千載一遇のチャンスと捕らえていた。
しかし、今回の母県訪問に参加したのは多くが退職した人ばかり。会員16人のうち60歳代以上がほとんどを占めたため、見るのがやっとの状態。
何と言っても龍の総重量は100キロ超。一人当たりが支える重量は約10キロになる。女子高生がまるで生きているかのように龍を舞わせるのに対し、県人会 員らは連続して何度も左右に大きく振る動きについていけず、「腰が痛いよ」「これは踊りではなくスポーツだ」と尻込んだ。どうやらブラジルでの主役は青年 部になりそうだ。
栗崎会長(67)は「見るのと、するのは違う。本当に難しい。でも撮影したので、練習してブラジルの行事などで披露したい」と話した。
2014年11月7日付
