「日本人の子孫であること誇り」
在伯長野県人会(高田アルマンド隆男会長)創立55周記念式典が9日、サンパウロ(聖)市内の愛知県人会館で開催された。母県から阿部守一知事、風間辰一県議会議長、羽田健一郎町村会副会長など9人の慶祝訪問団が来伯し、国内各地から訪れた250人あまりの会員らとともに節目の年を祝った。
長野県人のブラジル移住は第1回移民船笠戸丸から。県人会の前身は、1930年代に始まった在伯県人の集まり「信友会」で、親睦とともに島崎藤村等ブラジルを訪れる県人の歓迎会なども催した。戦後の59年11月に在伯長野県人会として正式に設立。南米銀行創立者の宮坂国人氏が初代会長を務めた。高田現会長は13代目で、現在の会員は約400家族。
式典には母県慶祝団ほか、福嶌教輝在聖総領事、文協、援協、県連の3団体代表、安部順二連邦下議、アルゼンチン県人会代表らが来賓として出席。冒頭、先亡者と9月に起きた御嶽山噴火の犠牲者に黙とうを捧げた後、日伯両国国歌と県歌「信濃の国」を斉唱。高田会長はあいさつで、歴代会長や役員、会員の苦労の上に現在の県人会があると述べ、敬意と感謝の気持ちを伝えた。
2世初の会長である高田氏は、81年に県費研修員として母県の病院で学んだ体験を振り返りながら、「皆様のお陰で日本の素晴らしい文化、教育を学 ぶことができた」と感謝。「今日系人はブラジル社会のあらゆる分野で活躍している。日本人の子孫として誇りに思う」と述べ、記念式典の日を迎えたことを喜 んだ。
阿部知事は会発展を支えた先人の尽力を「故郷長野と日本をこよなく愛する気持ちの賜物」と敬意を表し、県人・子弟の活躍が「日伯両国の絆を強固にする役割を果たしてきた」と称賛。併せて県人移住者を受け入れたブラジル国への感謝の思いを述べた。
9月の御嶽山噴火後の現状についても報告し、安全対策への決意とともに、観光での来県も呼び掛け。今後はスポーツや経済面でブラジルとの交流を促進したい との意向を示し、県人会の協力を要望。「県人としての誇りを胸に今後もブラジルの発展と日伯友好親善に一層貢献してほしい」と言葉を送った。
風間議長は「今日の式典を契機に、県人としての誇りと日伯友好親善が後世に引き継がれ、大きくなるよう引き続き尽力をお願いしたい」とあいさつ。羽田町村 会副会長(長和町長)は県内農山村の自然・文化の豊かさを「皆様が思い浮かべる故郷の原風景」と表現。「今後も県人としてつながりを持ってもらいたい」と 述べた。
ブラジル側からは、福嶌総領事、安部下議、本橋幹久県連会長が祝辞を述べた。安部下議は「辛抱する」「国のため になる」「約束を守る」「努力する」など、自身が祖父母・両親から与えられた教育を例に、「日系団体の皆様も、親に頑張ってもらい教育をもらった。素晴ら しい教えをいただいたお陰で、どこでも素晴らしい仕事をしている。世代が代わっても日系の皆さんに伝えてほしい」とあいさつ。さらなる友好交流促進を願っ た。本橋会長は、同県が半世紀の間に県費留学・技術研修員230人以上を受け入れていることに触れ、県と県人会を結ぶ人材育成の取組を称賛した。
知事表彰として、長年役員や地方支部長を務めるなど会活動に貢献した鹿田明義(リオ)、斉藤武兵衛(スザノ)、野澤今朝幸(聖市)、山口正邦(モジ)、本 藤利(サンベルナルド)5氏の功労者、80歳以上の高齢者200人を表彰。鹿田氏が功労者、矢崎逸郎元会長が高齢者を代表して謝辞を述べた。安部下議から は、伯日議員連盟を代表して知事・議長に記念プレートが贈呈された。
県人会と県・議会の記念品交換、日系団体への記念品 贈呈の後、2011年度技術研修生の赤羽カロリーネ吉実さんが留学・研修生を代表して謝辞。「短い期間だったが、皆さんの指導の下で楽しく貴重な勉強をさ せてもらった。帰国後はそれぞれが体験を生かして各分野で活躍しています」と感謝を表した。
矢崎元会長の発声で万歳三 唱。ケーキカット、記念昼食会の後は花柳竜伯さんらによる日本舞踊や、歌、能楽などのアトラクションが披露された。最後は母県のご当地ソング「松本ぼんぼ ん」に合わせて会員・慶祝団らが会場内を踊り歩き、続くサンバショーでにぎやかに節目の一日を終了した。
2014年11月11日付
