今も変わらない人とのつながり
サンパウロ(聖)州ミランドポリス市の第1アリアンサ文化体育協会(望月友三会長)は、10日午後1時から「第1アリアンサ入植90周年式典」を同文化会館で開催した。同地開拓の中心となった長野県からは知事代理の土屋孝夫県民文化部国際課国際化推進係担当係長が、日本力行会からは尾山清二理事が駆けつけ、計約200人が節目の年を祝いに集まった。
第1アリアンサ地区は1924年に長野県の信濃海外協会の援助の下、日本力行会の永田稠会長ほか、北原地価造氏、輪湖俊午郎氏らが中心となり、原生林を切り拓いて造った移住地。同地入植者は教育程度が高く文化的に耽溺(たんでき)した人々が多かったため、「銀ブラ移民」などと揶揄(やゆ)された。
晴天に恵まれた当日の式典には、土屋係長、尾山理事をはじめ、福嶌教輝在聖総領事館総領事、ミランドポリス市長代理の関谷ロベルト市議、ブラジル長野県人会会長代理の佐藤満氏らが出席した。
はじめに記念ミサを下桑谷浩牧師が執り行い、日伯両国歌斉唱に続いて望月会長があいさつ。永田稠氏らアリアンサ移住地の開拓者の名を挙げ、「現代 の住み良い素晴らしいアリアンサを見ると、日本人の理想郷を作るという先人たちの夢は実現できたと思う」と先人の苦労を偲んだ。
また、「野球や音楽、演劇などの文化活動にも力を入れ、知識人が集まる移住地と言われたその精神は現在まで引き継がれている」といい、「少子高齢化で日本 人も減る一方。しかし、残った我々はいつも夢を持ち続け、アリアンサの発展のために日々新たな心を持っていこうではありませんか」と語りかけ、大きな拍手 を浴びていた。
土屋係長は阿部守一知事のメッセージを代読。「長野県人としての誇りや故郷をこよなく愛する気持ちを大切にし、活発に活動を続けて大きく発展して来られた皆様に長野県民を代表して深く敬意を表する」と伝えた。
また、小泉知定日本力行会理事長のメッセージを尾山理事が代読し、「人材育成、人類共生をスローガンとした力行精神は、ここ(アリアンサ)において実践され、ブラジルにおいても高く評価されていることは我々力行人の誇り」と述べた。
白石一資ノロエステ日伯連合会会長もあいさつに立ち、「これだけ多くの人が来ており、どれだけ大切にされているか分かる立派な植民地。日伯外交関係樹立200周年を目標に、移住地を大切に5世、6世にも末永く続いてほしい」との希望を述べた。
福嶌総領事は、第1アリアンサの弓場農場を拠点にバレエ指導などで活躍する小原明子さんや、7日に山本喜誉司賞を受賞した第3アリアンサの島崎清さんなどに触れながら、活躍する日系社会の人々を称賛した。
来賓祝辞後は、記念品交換、第1アリアンサ高齢者表彰(75歳以上の51人)が行われたほか、9日の長野県人会創立55周年式典で「在伯長野県人高齢者表彰(80歳以上)」を受賞したアリアンサ在住の21人が土屋係長によって直接名前を呼ばれて表彰された。
その後は記念撮影、第1アリアンサ日本語学校の生徒による学芸発表、記念ケーキカット、乾杯が行われ、一同は牛の丸焼きなど豪勢な食事を楽しみながら、にぎやかなひと時を過ごした。
同地最高齢で高齢者代表あいさつにも立った新津英三さん(99、長野)は、「何となく90周年を迎えました。趣味の俳句はアリアンサからブラジルに広がったもの。そういった文化を無くしたらあかん。後世の人も大切にしてくれたらうれしい」と笑顔で本紙の取材に答えた。
同地で生まれ、84年間アリアンサを見続けてきた竹原幸雄さん(84、2世)は、「たくさんの思い出があるが、アリアンサでの人とのつながりは今も昔も変わらない良さがある。100周年に向けて車の免許も更新しました」と元気に答え、今後の発展を願っていた。
2014年11月13日付
