優勝向けて見せる盛り上がり
青森県五所川原市の立佞武多(たちねぷた)「復興祈願・鹿嶋大明神と地震鯰」がサンバチーム「アギア・デ・オウロ(以下、アギア)」からサンパウロ(聖)のカーニバルに参加するにあたり、3日深夜、制作者ら14人が着聖。4日午前10時半から本番会場となる聖市アニェンビーのサンボードロモで決起集会が行われ、同日夜から制作に取り掛かっている。
2012年に東日本大震災からの復興を祈り制作された「復興祈願・鹿嶋大明神と地震鯰」の立佞武多。15のコンテナに分けられて海を渡った。
来聖した制作者チームは14人で、同市観光物産課課長、制作者(立佞武多師)、大工、とび職、電気工がそれぞれの役割を務める。
アギアを代表してあいさつに立ったインスティチュート・パウロ・コバヤシ(IPK)の小林ビットル代表は、「外国の山車がカーニバルに参加するの は、リオでもサンパウロでも初めてのこと」と立佞武多の参加意義を強調。「これまでの20年、日系を取り上げたカーニバルは3回あったが、今回は『日本』 がテーマ。日本人、日系人が650人参加するのは過去最多で前例がないこと。優勝できると確信している」と気合いを見せた。
制作者代表の立佞武多師・福士裕朗さん(33、青森)は、「五所川原や皆の気持ちを一身に背負ってきました。日本を代表して参加できることは誇り。立佞武 多を多くの方に知ってもらいたいです」とあいさつ。また、「東日本大震災の時にはブラジルの方々から多大なるご支援を頂きましたこと、お礼を申し上げま す」と謝辞が述べられた。
福嶌教輝総領事は、「見るまで不安な毎日だったが、心から感激している。『がんばれ東北、ありがとうブラジル』という二つの気持ちを示すため立佞武多が選ばれている。本番の13日を楽しみにしたい」と意義を強調してエールを送った。
同市観光物産課の葛西達也課長(56、青森)は、「大型立佞武多が海を渡るのは初めてで不安もあったが、多くの励ましを受けてここまで来れた。これを機に世界に発信していきたいですし、素晴らしい会場で多くの皆さんに見てもらえることを心からうれしく思う」と話した。
また、制作者の最年少で電気工の鈴木翔輝さん(20、青森)は、「38年間の歴史の中でまだ優勝したことがないと聞きましたが、今年は立佞武多も来たのでぜひ優勝しましょう」と期待を込めた。
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翌5日には作業を進め、全体の3分の2が完成。鹿嶋大明神が地震鯰を押さえつける姿がはっきりと現れた。作業日両日は雨も降るあいにくの天気だったが、特 殊な和紙と塗料による対策で雨も心配ない様子。「順調に完成に近づいています」と笑顔の福士さん。その様子を見た青森県人会の玉城道子会長も、「完成が待 ち遠しいです」と期待していた。
同晩には会場で同チーム最後の予行練習も行われ、優勝に向け盛り上がりを見せている。
2015年2月7日付
