先人の遺徳を偲び足跡振り返り
サンゴンサーロ教会ミサ
ブラジル日本移民107周年を記念した毎年恒例の行事が18日、サンパウロ(聖)市内にあるサンゴンサーロ教会での慰霊ミサ、イビラプエラ公園内開拓先亡者慰霊碑前及びリベルダーデ区文協記念講堂での仏式法要がそれぞれ執り行われた。一般参列者が年々減少する傾向にある中、各行事には中前隆博在サンパウロ総領事をはじめ、文協、援協、県連など各日系団体関係者たちが出席。先人の遺徳を偲び、その足跡を振り返った。
午前8時からはセントロ区のサンゴンサーロ教会で先駆者慰霊ミサが行われ、昨年より40人も少ない約70人が参列した。
ミサはフレイ・アレシオ神父の日本語の説教から始まり、続いて文協の呉屋春美会長をはじめ、日系諸団体代表及び在聖総領事館の飯田茂領事部長らがそれぞれ祈りの言葉を述べた。
ミサに訪れた瀧本エドアルドさん(71、2世)は「昔は仕事をしていたから来れなかったが、退職を機に10年前から来るようになった。父が移民としてブラジルに来たということを忘れないために来ている」と語った。
錦田カズエさん(75、3世)は「子供の頃から来ている。母は2世だが、『移民の日』のミサだけは絶対参加してほしいと言っていた。成人してからも毎年参 加している。参列者は減ったが、また戻って来ると思う。私たちの祖父たちが頑張ってくれたから、今の私たちがある。それに感謝したい。若い3世、4世に は、もっと日本移民に関心を持ってほしい」と若い日系人への希望を語った。
ミサの後はカフェや軽食が振る舞われ、参列者たちは交流を楽しんだ。
イビラプエラ慰霊碑追悼法要
午前10時半からは、ブラジル日本都道府県人会連合会(県連)と仏教連合会(仏連)による追悼法要が、イビラプエラ公園内の開拓先亡者慰霊碑前で営まれた。
各県人会・日系団体代表ほか、中前隆博在聖総領事など日本政府関係者ら70人あまりが訪れ、現在のブラジル日系社会の礎となった先人に感謝を捧げた。
慰霊碑前には36県人会が持参した過去帳が並び、原島義弘・県連慰霊碑委員長の進行で法要を開始。尾畑文正仏連会長が導師を務め、読経の中、出席者一人一人が焼香した。
碑を管理する県連の本橋幹久会長は追悼の辞で、故・藤川辰雄氏による慰霊碑建立の経緯について言及した。その上で、今年の3月に行われた県連ふるさと巡り 最終訪問先のリンスでの慰霊法要を回顧。「過去帳の最初のページを開き、1922年の6歳以下の幼年児童の死亡者数の多さに目を疑った。入植当初の生活環 境がいかに悲惨で苦しかったか、そういった時代を通ってこそ、今の私たちがあることを十分に承知しなければならない」と述べ、追悼行事を行う意義を強調し た。
中前総領事は「日本人移住107周年の供養を行うにあたり、私たちは開拓先亡者たちへの感謝を忘れず、両国の関係増進のため一層努力していくことを改めて誓います」と追悼の辞を述べた。
尾畑仏連会長は焼香後、同法要を「私たちに先立ち、ブラジルの地と挫けそうになる自分と戦い、歩んだ先人の願いは一体何だったのか。それらを思い起こしな がらお参りさせていただきました」と話し、参加者に感謝を表した。また、今年4月に来伯した尾畑会長は同法要に出席して「本橋会長の追悼の辞で、抽象的な 言葉ではなく、具体的な言葉で先亡者たちの歩んできた歴史を振り返ることができた」と感想を述べた。
慰霊法要には、「移民の父」水野龍氏の息子の龍三郎さん(84)もパラナ州クリチバから出席していた。
なお、18日午後2時から執り行われた文協記念講堂での仏式法要の様子は紙面の都合上、20日付紙面で掲載する予定。
2015年6月19日付
