いわき市との姉妹都市計画も
日本人歌手の中平マリコさんが、今年1月に宮城県人会の中沢宏一会長に渡した綿の種の様子を観察するため、12日にサンパウロ州アチバイア市を訪れた。福島県いわき市の震災復興プロジェクトの一環として、中平さんを通じ中沢会長にいわき市のオーガニック・コットンの種を渡したことから、いわき市とアチバイア市共同のコットン・プロジェクトが始まった。アチバイア市に住む中沢会長の働きかけで、同市といわき市をつなぐ一大プロジェクトとなった。
アチバイア市には福島県人会の支部があり、同市の乾マリオ副市長や文化協会会長も福島県人2世。元福島県知事の松平勇雄氏が2度同市を訪れたこともあり、福島県とは縁が深い。同市にはかつて綿栽培に従事した人が多く、乾氏も幼少の頃に綿を採取した記憶があるという。中平さんと中沢会長は同市の市役所を訪れ、サウロ・ペドロソ・デ・ソウザ市長と乾副市長らと会談し、プロジェクトの進展状況などを報告した。
さらに、現在アチバイア市はいわき市と姉妹都市提携を結ぶことを計画しており、市長からいわき市へのメッセージが中沢会長に託された。メッセージは同日中に中沢会長から永山八郎ブラジル福島県人会会長に渡され、同日夜に永山会長はメッセージを携え、日本へと旅だった。
またソウザ市長、乾副市長共に、綿の栽培は同市の利益にもつながるとし、プロジェクトの協力を約束した。
中平さんは「現在のいわき市は報道で伝えられているようなものではない。市民は生きる希望を失くしている。いわきの綿の種がブラジルで花を咲かせていることを伝えると、皆喜んでくれる。プロジェクトの進展や姉妹都市提携が生きる希望につながれば」と話した。
一行はその後、中沢会長の自宅で栽培されている綿の苗を視察。1月に植えた種は現在2メートル近くまで伸び、綿はあと少しで収穫できるまでに成長していた。4月に植えた種も順調に成長しており、中平さんを喜ばせた。
同行していた福島県人会アチバイア支部副会長の乾光衛氏は「いわき市の復興に役立つなら、それに越したことはない」と笑顔を見せた。
中沢会長は「アチバイアには昔、綿栽培をしていたイタリア移民やポルトガル移民が多く、みんな懐かしがっている。今後ははインジオにも加わってもらえれば」と話す。
中平さんは「日本から渡った綿がブラジルで育ち、そして日本へまた戻る」と感慨深そうに話した。
2015年6月24日付
