東京―札幌間完歩した体験中心に
【既報関連】美容室「SOHO」(蒼鳳)の創立者で、「ブラジル掃除に学ぶ会」や「YOSAKOIソーラン大会」を主宰する飯島秀昭氏の講演会が、埼玉県人会(尾崎眞次会長)主催で15日午後2時から文協5階の県連会議室で行われた。今回の講演は「魂のサクセスストーリー・行動なくして結果なし」をテーマとし、4月から1カ月かけて東京―札幌間を完歩した体験を軸に、自身の哲学などを交えて2時間にわたり語った。
お馴染みの短パン姿で会場に現れた飯島氏。「今日来てるのはほとんど身内ですが、僕のことを知らない人もいるでしょうから」と前置きし、美容師になった経緯やブラジルに来た理由、これまでの活動などを来場者に話した。
飯島氏が歩き始めたのは愛知県で開かれた「100キロ歩け歩け大会」への参加がきっかけで、2007年には四国の「お遍路」に挑戦した。10キロの荷物を担いで歩く道は主に激しい山道。「無理せず、バスかバンで行った方が良い」と言い、会場の笑いを誘った。
その後、九州を制覇。そして満を持して、今回の東日本縦断挑戦となった。この挑戦に至ったのは、飯島氏が通っていた埼玉県の高校の慣習に起因する。その高校では、生徒が自転車だけで北海道までの旅をすることが伝統のようになっており、自身も挑戦するつもりだったが資金が足りず断念。「その時の悔いがずっと頭にあったかもしれない」と回想した。
また、今年9月に65歳を迎えるにあたり、「まだやることがあるのではないかと思い、それをやり遂げる自信をこの旅を通してつけたかった。日語も伯語も分かる。日本とブラジルのために働きたい」と語った。
飯島氏は4月13日に東京の日本橋を出発。初めの3日間は雨に降られ、まだ肌寒い4月の気候は堪えたという。都市部を歩く時は何の心配もいらないが、民家もコンビニエンスストアもない田舎では、いつ次の水が買えるか分からない。喉が渇いても口を濡らす程度で、その場をしのいだという。
過酷な道中にあっても、多くの同年代の人との出会いや、改めて気付く日本の自然の美しさや豊かさに助けられた。「水のせせらぎを聞きながらだと、どんな峠道も苦にならなかった」と語り、歩いている時に大都市のサンパウロで暮らす自分ではなく、田舎で生まれ育った自分自身を再発見したそうだ。
結びに日本国内の問題、今後の日系社会、「YOSAKOIソーラン大会」を2017年にはサンパウロ市で開催することなどを語り、「やってダメなら仕様がない。やらないで諦めるのは納得いかない。死ぬ時に納得できる人生を送りたい」という言葉で講演会は幕を閉じた。
最後に尾崎会長から希望者に飯島氏の著書を先着10人に贈呈することが告げられると、多くの手が挙がった。
講演を聴いた森光マリアさん(72、3世)は「3年前にお遍路に行ったが、リタイアした。飯島氏の体験談や、生き方を知ることができて良かった。講演会があるなら、また来たい」と感想を述べた。
2015年7月22日付
