長野県人会(高田アルマンド会長)の「フェスティバル・ド・ジャポン」名物となっている「野沢菜漬け」。長野では冬場によく食べられている郷土食だ。
「野沢菜漬け」は一般に緑色の浅漬けが知られている。緑の浅漬けは時間がたつとアメ色に変化し、酸味が出てくる。長野県内では、5月の田植えの季節になっても食べきれなかった時は炒めて食べきるという。野沢菜はカブの一種で、長野県内地方によってはカブごと漬ける場所もある。信州人はこたつに入って、お茶を飲みながらぼりぼり「野沢菜漬け」を食べるのが冬場の楽しみの1つだ。
長野県人会の「野沢菜漬け」に使われる野沢菜は、2年前まで長野県人会前会長の北澤重喜氏がビリチバ・ミリンで栽培を行っていた。しかし北澤氏が亡くなり、現在は長男であるユウジさんが栽培を引き受けている。「できるだけ若いのを」ということで、祭りの2カ月前の5月に種を蒔き、下ごしらえ当日の朝に収穫された。その量は重さにして約1000キロ。ユウジさんによれば「今年の野沢菜は幹が太く出来が良い」という。
20日午前10時から県人会有志が集まり、ユウジさんの農場の労働者の協力も得て下ごしらえの作業を行った。作業手順は、まずカブの根を丁寧に切り取り、水洗いした後、樽に2方向に敷き詰め塩漬けする。塩加減を決めるのは北澤前会長の妻のアキエさんの仕事だ。味が染みやすいように、シュラスコに使う岩塩を使用している。上から木の板で押し水を出して味を浸透させ、樽から少しはみ出るくらいに重ねたら木の蓋をし、野沢菜の約3倍の重さの石を乗せて2日間漬ける。
1000キロもの野沢菜を処理するのはさすがに一苦労。有志たちは昼食を挟んで午後4時まで作業をこなした。作業中も会員たちは会話をしながら笑顔を見せ、和気あいあいとした雰囲気ながら手際の良さが目立った。
塩漬けした野沢菜は2日間寝かせた後、ピンガ、砂糖、味の素で味付け。さらに1日寝かせ、祭り当日に袋詰めされ、会場へ運ばれる。
実は「野沢菜漬け」は昨年で終了する予定だったという。しかし「父が続けた長野県人会の伝統を守りたい」というユウジさんの意向から続行が決定した。今年も伝統の味が楽しめそうだ。(おわり、佐久間吾朗記者)
2015年7月23日付
