県人会を支える大きな原動力
第1回琉球古典音楽・古典舞踊発表会が、6日午後1時からサンパウロ市リベルダーデ区の沖縄県人会館ホールで開催された。同発表会は、琉球古典芸能の普及発展と技術向上を目的としており、当日はベテラン30人を含む計40人が19の演目に出演した。曇天の中、一般客約200人が来場した。
同発表会は野村流音楽協会ブラジル支部、野村流古典音楽保存会ブラジル支部、琉球筝曲興陽会ブラジル支部、琉球筝曲保存会ブラジル支部、ブラジル琉球舞踊協会の5団体の共催。
開会式でははじめに島袋栄喜沖縄県人会会長があいさつし、「琉球古典芸能は、沖縄県人会を支える大きな原動力であり、またブラジル人への沖縄文化普及に大きな影響力を持っている」と強調した。
琉球王国は1429年に成立し、1879年までの450年間にわたって存在した。この日披露された19の演目は、成立当時に誕生したものから江戸時代に誕生したものまで様々。一般的な琉球芸能との違いについて知念直義実行委員長は「古典芸能では、楽器(三線)と踊りが一体となって展開されるのに対して、琉球芸能は舞踊と楽器を切り離している。後者は舞踊を主軸に、三線はあくまで引き立て役とし、ステージの片隅で演奏させる構成を取る」と話す。
琉球古典芸能に詳しい宮城彰さん(77、沖縄)は「古典芸能は現代人の感覚では捉えることが難しい」と語った。同氏は、その理由について「現代芸能は音楽のテンポと踊りのテンポの波長が重複または互いに同じ動きを取る。それに対して、古典芸能は必ずしも波長を合わせるものではなく、波長が整っていない」と説明した。
サンバに代表されるようにリズミカルな音楽と踊りを好むブラジル人。若者が敬遠しがちな古典舞踊の世界だが、12年間続けているという仲眞さゆりさん(20、3世)は「同期が少ないことに悩みはないが、繊細な動きを要求される女性踊りが難しい」と軽いため息をつきながらも、「祖父と祖母が教えてくれた琉球の文化が大好きです」と笑顔を見せた。
仲眞さんの指導者である千舞知花(ちばな)千恵子さんは、「若い門下生が少なくなる中、彼女のように琉球舞踊を愛してくれる子がいて嬉しい。また、こうして公の場で踊れる機会は年に3回程度しかないので、発表会を設けていただいたことに感謝している」と喜びを口にした。
また発表会には日本から沖縄県読谷(よみたん)村教育委員会文化振興課の4人も出席。ブラジル及びボリビアへの同県移住者の調査と移住史を発行する目的で、17日までの約2週間滞在した。
主幹兼村史編集係長の上地克哉さんは「ブラジルの読谷村出身者らは沖縄の読谷よりも読谷らしい。沖縄県で消えつつある島言葉や地域性がそのままの形で現存していることに大変驚いた」と感激した様子だった。
2015年9月18日付
