聖州との友好提携30周年行事にも参加
ブラジル富山県人会(市川利雄会長)創立55周年記念式典参加のため、母県から慶祝団が訪伯した。式典翌日の5日、一般参加者を除く慶祝団の県議会議員や県職員ら16人は在サンパウロ(聖)日本国総領事館、サンパウロ総合大学(USP)、聖州社会開発局、イビラプエラ公園内の日本移民開拓先亡者慰霊碑を訪問。USP日本語学科生徒らとの懇談、総領事や州政府長官らと意見を交わすなどし、富山県と聖州のさらなる発展にむけ交流を深めた。
午前9時半に滞在先のホテルのロビーに集まった一行は、午前10時に在聖日本国総領事館を表敬訪問し、中前隆博総領事と面会した。はじめに杉本正慶祝団団長から、中前総領事に富山県とブラジルの歴史が説明され、続いて中前総領事からブラジル経済や政治、総領事館の活動、「ジャパンハウス」の概要などが説明された。
質疑応答では「リオ五輪まで1年を切り、ブラジル経済回復はあるのか」、「(創業者が富山県出身の)YKKの社会的評価」など多くの質問があがった。中前総領事は質問に答える中で、「ブラジル社会では日本人、日系人への評価はとても高い。日本人は『勤勉で正直』と言われている」と伯国社会での日系社会の優位性を熱弁した。呼応するように慶祝団も総領事と熱く議論を交わし、最後は記念品を贈呈し総領事館を後にした。
イタリアンレストランで手早く昼食を済ませた後、午後からはUSP日本語学科の奨学金受給者への受給認定証授与式に参加。富山県では20年前からUSP日本語学科の生徒へ奨学金の交付を行っており、今年は5人が奨学金を受給した。荒木勝県知事代理から一人一人へ認定証が授与され、「日本語の勉強に励んでもらい、いつか富山で会えることを期待しています」とあいさつした。
受給者らも研究対象や将来について日本語で慶祝団にあいさつ。懇談時間は短かったが、それぞれ学生たちと交流を図った。島隆司南米協会常務理事は「安部公房を知っているなんて、難しい研究しているなと思った。今の日本の若者でも知らないのでは」と受給者の研究対象に驚いた様子だった。
午後3時15分からは聖州社会開発局でフロリアーノ・ペザロン長官と対談した。荒木知事代理から聖州政府要人の来県要請と日本語及び日本文化、薬用植物、環境の3分野で学生との交流を「前向きに考えてもらいたい」と提案がなされた。
フロリアーノ長官は「提案されたことは適切な人物や機関を探し出していく」と答え、「富山型デイケアサービスには興味がある。ブラジルでは老人介護と保育の問題が大きくなっている。富山の老人ホームなどの介護技術を共有してもらえたら」と述べた。
その後も荒木知事代理を中心に意見交換が行われ、最後に記念品交換が行われた。
続いて富山県・聖州友好提携30周年記念行事が講堂で開かれ、荒木知事代理、フロリアーノ長官両氏が友好確認書にサインした。その後、北日本民謡舞踊団の公演が行われ、講堂に来場した約130人から大きな拍手が送られた。
スケジュールの最後に一行は、イビラプエラ公園内の日本移民開拓先亡者慰霊碑を参拝し、その後にホテルに戻り、県人会員らとの交流会でサンパウロ最後の夜を楽しんだ。
交流会では民謡団を中心に童謡が歌われ、「ふるさと」を歌い終えると涙を流す参加者も見られた。相撲の四股を踏むような万歳三唱で中締めが行われ、長い一日が終りを告げた。
杉本団長は「初めてブラジルに来て富山県移民のブラジル社会への貢献度が分かった。今日聖州にお願いしたことはすべてではないが、いくつかは受理されるだろう。県政も引き続き頑張っていきたい」と聖市滞在を振り返った。
2015年10月8日付
