クエルナバカで母子が再会
2日目の9月26日、朝から小雨が降っているが、一行は午前8時半に3台のバスに分乗してホテルを出発。南に約90キロの距離にある観光地でモレロス州都のクエルナバカ市を目指した。
前日の団員からの不満の声が効いたのか、第2グループのガイドは非日系のメキシコ人ながら日本語が堪能なセサル・マルティネスさん(32)が同行してくれた。
セサルさんは、国立自治大学(UNAN)でグラフィック・デザインを勉強した際に、日本語、ドイツ語、イタリア語のいずれかの選択を勧められ、日本語を18歳の時に専攻したしたという。卒業後はテレビ局や旅行会社などを経てガイドになるための勉強を2年間行い、その間、日本語を独学で学習してきたという努力家だ。
そのため日本文化に興味があり、これまでに3回訪日している。桜の開花時期に合わせて今年4月にも日本を訪れ、新しく開通した北陸新幹線を利用して東京から石川県金沢市を訪れたほか、長野県や熊本県まで足を伸ばしたそうだ。
セサルさんの説明によると、メキシコシティの人口は約2000万人と多く、中心となるメキシコ連邦区(DF)だけで約900万人が住んでいる。気候は乾季(10月~5月)と雨季(6月~9月)と半年ごとに分かれており、雨季である(9月26日)現在は、夕方から夜にかけて雨が降り、昼前には晴れることが多いという。
また、メキシコシティ周辺は3000メートル級の山々がそびえ、隣州に行くにはこれらの山々を越えて行かなければならないとも。
ふるさと巡り一行は、バスで約30分の地点の大学都市で一時停車。1968年に開催されたメキシコ五輪競技場前で各自写真撮影を行った。学園都市は自然保護地区に指定されているとし、ビル群が建ち並ぶメキシコシティから一転、緑豊かな風景へと変わった。
一行が乗ったバスは約3000メートルの山を越え、標高約1500メートルのクエルナバカへ。同地に近づくと気温も上がり、セサルさんの説明通り、午前10時ごろには太陽が出てきた。午前10時過ぎにクエルナバカに到着。草川和田明子さん(74、2世)は、同地に住む娘の小木曽春美さん(50、3世)と7年ぶりの再会を果たし、抱き合って喜んでいた。
「煙を吐く山」という意味を持ち、メキシコで2番目の高さを誇るポポカテペトル山(標高5426メートル)。その山麓にあるクエルナバカ大聖堂(標高約1500メートル)は16世紀初頭に創られたメキシコでは最も古い修道院群の一つで、1994年に世界遺産に登録されている。我々一行が訪問した際は、大聖堂の外観は工事を行っていたが中は入ることができ、豊臣秀吉の命令で長崎で殉教した宣教師たちの壁画があった。
クエルナバカ大聖堂を見学した一行は、午前11時10分に出発し、次の観光地であるゲレロ州タスコへ市と向かった。(つづく、松本浩治記者)
サンパウロ新聞 2015年10月16日付
