「魅惑の町」指定のタスコ市
「銀が取れる町」として鉱物資源豊かなタスコ市。標高約1800メートルで周りを山々に囲まれている。山の斜面には白色を基調とした家がびっしりと建っているほか、山頂にはキリスト像もあり、どことなくリオのファベーラを彷彿とさせる。
ガイドのセサルさんによるとメキシコでは現在、「魅惑の町」観光プロジェクトを推進しており、全国に86カ所の「魅惑の町」が設けられているという。「魅惑の町」に指定されると政府から助成を受けられるとし、タスコ市もその町の一つ。同市は近い将来、世界遺産になる可能性も高いそうだ。
また、同市では坂が多く道が狭いため、白色に統一された馬力のあるカブトムシ(フォルクス・ワーゲン車、ブラジルのフスカ)がタクシーとして活躍しているとセサルさんが説明してくれた。
タスコ市街に入る前に我々第2グループは、銀細工の土産物屋で一旦停車。銀についての説明を聞く。それによると、1キロの銀を取るためには、4トンの銀鉱物が必要になるという。その後、銀製品の土産物を見て回るが、食事用のナイフが1本7200ペソ(約5万円)もするなど高価で、庶民である記者はとても手が出ない。
午後1時40分、この日も遅い昼食をタスコ市の眺望の良いレストランで取る。
昼食後、3人一組に分かれてカブトムシ・タクシーに分乗し、「超バロック様式」の彫刻が施されているというサンタ・プリスカ教会へと向かう。カブトムシ・タクシーの助手席は取り外されており、客は後部座席に3人が並んで座ることになる。
くねくねした狭い道を排気音をうならせて上がると、開けた場所に外観がピンク色のサンタ・プリスカ教会がそびえていた。教会前広場には、観光客を目当てにした地元の物売りが群がり、大人も子供も関係なく民芸品やガムなどを売りに集まってくる。
班ごとに教会内部を見学すると、キリスト像など壁に装飾された立体的な彫刻が迫ってくるかのようで、「超バロック様式」と言われるのもうなづける。
教会を見学し終えて広場に出ると、ここでも小規模なマニフェスト(反政府デモ)をやっていた。ガイドのセサルさんに聞くと、昨年ゲレロ州イグアラ市で大学生43人がバスでの帰路に警察からの襲撃を受けて行方不明になっていた事件への抗議運動だと説明してくれた。
この日の観光を終えたふるさと巡り一行は、午後4時にタスコ市をバスで出発し、メキシコシティまでの160キロの道のりを約2時間半かけて戻った。
メキシコシティに入ると雨模様となっており、午後6時40分、市内コロニア・ラス・アギラス地区の「富士山(ふじやま)通り」にあるメキシコ日墨協会に到着した。(つづく、松本浩治記者)
2015年10月20日付
