12日にラーモスで分灯セレモニー
五輪発祥の地・ギリシャから1983年に核兵器の廃絶を願って贈られた「ナガサキ誓いの灯」が9日、無事サンパウロ市に到着し、ブルーツリー・パウリスタホテルで記者会見が行われた。誓いの灯を運んだのは、「ブラジル・日本平和の絆交流会」の中嶋年張代表と連続11年、13回のブラジル公演を行った歌手の井上祐見さん、そして井上さんの息子で、チビッコ交流大使の笠戸丸ともやす君の3人だ。
当初、誓いの灯は東京オリンピックや長野オリンピックの聖火輸送に貢献したハクキンカイロの技術で輸送される予定だった。また、ジルマ大統領の訪日に合わせ、ブラジル空軍の協力を得て専用機で輸送されるはずだった。しかし、突然の大統領の訪日中止で専用機での運送は中断。また、11月13日には経由予定地のフランスで同時多発テロが起こり、ベンジンを使うハクキンカイロでの空輸も難しく、経由地の変更を航空会社から打診された。しかし、中嶋代表は「平和のための灯を運ぶのにテロに屈したくないし、日伯両方の飛行機会社を使いたい」との強い思いで、あえてパリ経由を選択。第三の新しい方法で、世界初、平和の灯を電気に変えて搬送した。
この方法とは、火と水の温度差を使って発電する「熱電発電」で、野外でも携帯電話などが充電できる技術だ。ただし、これは携帯電話用のUSB端子での蓄電だったので、USBから電池へ蓄電する機器を得て、最後にその電池から発火するという3段階を得ることで平和の灯の運搬が可能となった。中嶋氏は「(最初の)火と水を使う技術と、電池からの発火方法は知っていたが、2番目のUSB蓄電が難関だった。この3つがつながって、ようやく可能になった。火は、ナガサキから贈られた火を使い蓄電。最後は電池のプラスマイナスにガムの薄いアルミ箔を細切りにし、つなげると発火する」として実演してくれた。
記者会見には、中前隆博在サンパウロ総領事、岩崎秀樹フレイ・ロジェリオ副市長や小川直樹原爆被爆者と子孫の会の会長代行、本橋幹久県連会長、栗崎邦彦ブラジル長崎県人会会長らが出席し、今回の「ナガサキ誓いの灯」の分灯プロジェクトを称賛した。また、長崎市の田上富久市長や梅田邦夫在ブラジル特命全権大使からのメッセージも披露された。
この後、「ナガサキ誓いの灯」は「ブラジル・日本平和の絆交流会」の3氏の手でサンタ・カタリーナ州フレイ・ロジェリオ市のラーモス移住地「平和資料館」へ運ばれ、12日に分灯セレモニーが開催される。
サンパウロ新聞 2015年12月11日付
