鳥取市で日伯交流合唱コンサート
「涙ながらの感動の舞台でした」――。ブラジル鳥取県人会(本橋幹久会長)のコーラス部は11月21日、訪日先の鳥取市で地元のコーラスグループ「コールおもかげ」との「歌声は海を越えて」と題した合唱交流コンサートに出演した。メンバーたちはフィナーレで「故郷」を日伯合同で歌い上げ、会場一体となった舞台を冒頭の言葉で表現した。帰伯後の15日、本橋会長とともにメンバーたちが報告のために来社した。
今回訪日したメンバーは鳥取県人会コーラス部から13人、その他のコーラスグループ、ピアノ伴奏者などを含めて計25人。一行は11月13日から、同月29日まで訪日し、その間、鳥取県をはじめ、大阪、兵庫、京都、奈良、岡山、広島、神奈川、東京なども観光したという。
日伯合唱交流コンサートのきっかけは、2013年3月に中堅リーダー研修で来伯した「わらべ館(鳥取市)」童謡・唱歌推進員の山尾純子さんと、県人会副会長でコーラス部メンバーの千田伊藤初美さん(61、3世)が連絡を取り合ったこと。コーラス部メンバーがそれぞれ自費で訪日し、初の合同公演が実現した。
コンサート前日の11月20日夜には同市内ホテルで歓迎レセプションも行われ、11月8日にサンパウロ市の鳥取交流センターで開催された鳥取県費留学・技術研修制度50周年及び鳥取交流センター設立20周年記念式典に来伯出席した林昭男副知事や県議会議員らも出席したという。
21日午前10時半に「わらべ館いべんとほーる」で開演されたコンサートでは、オープニングの合同演奏を皮切りに、ブラジル側が「四季・メドレー」「Aquarela do Brasil」など6曲を披露。ブラジル紹介・合同合奏、休憩を挟んで日本側が「風がはこぶもの」「荒城の月」など6曲を合唱した後、合同演奏「花は咲く」に続いてフィナーレでは日伯合同で「故郷」を会場と一緒に歌い上げた。
伯側指揮者の大刀ミリアンさん(65、3世)は「コーラスで日本に行ったのは初めてでしたが、とても勉強になった。日本の曲とブラジルの曲を同じ場所で歌えて本当に良かった」と話す。
コンサートを実現させた千田さんは「初めての鳥取でのコンサートでどうなるか心配でしたが、最後に『故郷』を歌い終わった後は皆、涙を流しながら抱き合って感動の舞台でした」と振り返る。
伯側コーラス部メンバーで旅行ガイドとして旅程を企画した小森田節子さん(59)は「誰も体調を崩すことなく、皆が楽しんで無事(ブラジルに)帰って来れた」と笑顔を見せた。
ピアノ伴奏を行った中島リジアさん(54、2世)は偶然日本で親戚に出会ったと言い、コンサートでは「緊張しましたが、日本の人のピアノの弾き方など勉強になりました」と語った。
今回、2人だけの男性メンバーの一人である伊勢島誠一さん(69、2世)はコーラスを始めて35年になるというベテラン。鳥取県人会コーラス部では7年前から練習している。今回の訪日コンサートについて「素晴らしい体験ができ、鳥取の関係者の方々に感謝したい」と感動の面持ちだった。
2008年から鳥取県人会コーラス部に所属している非日系のジュリオ・バロスさん(72)は「初めて日本に行くことができ、天にも昇る思い」と喜びを表していた。
本橋会長は「20年前に鳥取交流センターが完成したことで県人会活動も活気が増してきた。今回、コーラス部が自費で訪日して合同コンサートを行うなど今までにない交流ができ、県人会としても大きな喜び」とコーラス部の活動を称賛していた。
サンパウロ新聞 2015年12月24日付
