日本と南米つなぐ活動続けて
福島県喜多方市の大和川酒造海外営業部として、日本酒の販促活動で2月9日から同25日まで来伯していた武藤啓一さん(65、福島)。元JICAシニアボランティアとして、2011年7月から2年間、野球指導員として滞伯したほか、福島県人会(永山八郎会長)と連携してブラジルで喜多方ラーメンを普及するなど様々な顔を合わせ持つ。現在は、喜多方市で地域・家庭医療センター「ほっと☆きらり」の事務長を務め、定年退職後も多忙な毎日を送っている。
武藤さんは元々、喜多方市役所に40年間勤め、福島県内外からの企業誘致を担当したほか、地域振興及び観光振興に力を注いできた。その一環として1990年代初頭には中国との国際交流を行い、旧塩川町(現・喜多方市)で第1回日中競演花火大会を実現させた。
「若い頃からブラジルへの興味はあった」という武藤さんは80年代半ばごろ、福島県海外派遣事業の一員としてペルー、ブラジル、アルゼンチンの南米3カ国を3週間かけて訪問。さらに、95年にはオランダ航空が主催した懸賞論文で、ペルーの青少年育成のために文房具や運動用具を提供する内容を書いて優秀賞を授与し、副賞の往復チケットでペルーに16日間滞在した経験もある。
その後、喜多方市の産業部マーケティング部長として喜多方ラーメンをはじめ、米、味噌、醤油、アスパラガスなどの市産品を中国、韓国、香港、台湾などのアジア諸国へ市の物産や観光を売り込む交渉を行ってきた。
60歳で市役所を定年退職した後、思いのあったブラジルに行くため、JICAシニアボランティア制度を受けて合格。野球・ソフトボールの審判資格を生かしてコーペル・コチアなどで指導を行ってきた。その合間に、2013年2月に福島県で開催された「在外県人会サミット」に出席したブラジル福島県人会の曽我部威事務局長と知り合うなどし、喜多方ラーメンのブラジルでの普及を実践、協力してきた。
13年7月ニシニアボランティアの2年の任期を終えて帰国した武藤さんは、喜多方市地域・家庭医療センター「ほっと☆きらり」の運営を行う医療法人社団「福寿会」の武田尚寿理事長から「今、何やっているの」と声を掛けられ、「(同センターの)事務をまとめる男性がいないので、少し手伝ってほしい」と言われたという。武田理事長とは、市役所時代に福島県内のIT関係企業誘致推進事業などで知り合った。
また、今回の来伯で海外営業部の肩書をもらった大和川酒造とも、同酒造社長が喜多方市の物産会長だったことから関わることになった。
武藤さんは「色んな顔を持っていたことが結果的に良い方向に来たのだと思う。今後はブラジルでの日本酒販売など商売は厳しい面もあると思うが、継続性のないことはしたくないので、別の機会にまたブラジルに来たい」と意欲を見せた。
サンパウロ新聞 2016年4月5日付
