導入に尽力した西谷元会長も感無量
「西谷(博)さんが居なければ、傘踊りの活動はやってこれなかった」―。鳥取県(平井伸治県知事)からの招待を受けて、八月八日の「第四十五回鳥取しゃんしゃん祭り」に参加することを目的に、二十四日正午から同県人会館で傘踊り派遣メンバー十一人の結団式が行なわれ、本橋幹久県人会長はあいさつの中で、西谷夫妻のこれまでの貢献を賞賛した。一行は、八月三日から十日間の日程で訪日し、「ブラジル鳥取県人会傘踊り連」として、日本の二千八百人のメンバーに交じって「一斉踊り」に初参加する。
移民100周年が契機 平井知事が肝入りで実現
「鳥取しゃんしゃん傘踊り」は一九八二年、母県の農業研修青年派遣団が来伯して初披露。その後、西谷元会長夫妻の尽力などにより鳥取県から総数約八百本にのぼる専用の傘が寄贈され、同夫妻が中心となり踊りの指導を行なってきた。
その結果、現在毎週金曜日に鳥取県人会館で実施されている練習には毎回、六十人から八十人のメンバーが集まり、その活動はサンパウロのみならず、モジダスクルーゼス、カンピーナス、第二アリアンサ、アラサツーバやマリンガなどに拡大。各地で開かれるイベントにも招待されるなど、今や日系社会で欠かせない団体となっている。
今回の招待のきっかけは、昨年六月にサンパウロで行なわれた移民百周年記念式典のアトラクションに、ブラジル側メンバーに母県から平井県知事、竹内功鳥取市長ら八人が加わって皇太子殿下の前で傘踊りを披露したこと。その際、県側から「来年(〇九年)の鳥取しゃんしゃん祭りにぜひ出席してほしい」との要請を受けたという。
派遣団には西谷夫妻、本橋会長をはじめとする十二人のメンバーが選ばれたが、西谷さん自身は今年二月に体調を崩して現在はリハビリ中のため、残念ながら今回は訪日参加を断念することになった。
結団式には、西谷夫妻、加藤恵久前会長、本橋会長、山添源二氏と末永正氏の両副会長のほか、傘踊りメンバーたち約六十人が出席した。
あいさつに立った本橋会長は、母県とブラジルの関係について、五二年の鳥取の大火発生時に伯側県人関係者が中心に当時で百数十万円の義捐金を寄付したことに始まると説明。傘踊り創設の経緯とメンバーの活動を振り返り、「傘を集めるのに苦労したが、西谷さんが居なければ傘踊りの活動はやってこれなかった」と述べ、夫妻の貢献を褒め称えた。
車椅子姿で出席した西谷さんは、「嬉しくて言葉にならない」と感極まりながら、「鳥取と『交流』という縁で日本に行くことができるのはとても有難いこと。いつまでもこういう交流が続くことを願っている」と述べ、母県への感謝の意を表した。
メンバーを代表して京野マリ副団長があいさつ。「西谷先生が育てた傘踊りグループの努力に恥じないよう、一生懸命頑張ってきたい」と意気込みを示し、訪日団は残ったメンバーから「いってらっしゃい」との激励の言葉を贈られた。
派遣団一行は、八月三日にサンパウロを発ち、同六日には大正天皇が皇太子時代に鳥取県をご訪問されるために建てられたという「仁風閣(じんぷうかく)」で鳥取市長と市議会議長を表敬訪問。八日午後六時半から始まる「しゃんしゃん一斉踊り」に参加するほか、市内視察などを行ない、見聞を広める。
なお、一行は西谷元会長から鳥取市長宛てのメッセージを持参するとともに鳥取県人会特製ハッピ十着を同市に寄贈するという。
