サントス市で1950年代に庶民の足として活躍した路面電車が2009年に観光電車(ボンデ・ツーリスチコ)として運行を再開しており、アメリカ、イタリアなどから寄贈された車両も市内を走っている。
サントス市議の中井貞夫氏は「各国の電車がサントスを走っているのだから、日本の車両も走らせることができないだろうか」と発案。昨年9月頃、同市と姉妹都市である長崎市を走る路面電車に目を付け、かつて同市を走っていた古い車両を「譲り受けることができないだろうか」と、長崎県人会(川添博会長)に対して依頼した。
同県人会では3月の役員会で同件について話し合い、「県人会がどこまでかかわるのかはっきりさせてから動かなくてはならない。長崎側の事情や、運送費用の負担などについて確認している段階だ」と説明した。
後日、中井市議から連絡があり、サントス市は長崎からの車両運送費や補修費用などはすべて同市のプロジェクトに基づいたスポンサー費用で賄う構えで、長崎側の費用負担は全くないと伝えられたという。
同県人会は費用負担がないと正確に確認できた段階で、母県に車両譲渡の了解を得るとみられる。
サントスの観光電車は、同市の文化遺産センターが2年かけて路線延伸工事を行い、観光用に運行再開したもので、電車は市役所前のマウアー広場周辺から30分ごとに運行されており、コーヒー取引所や旧サントス駅舎などを巡回。約5キロの距離を45分かけて周り、観光局のガイドが市内の観光名所を説明する。
ヨーロッパの雰囲気漂う古い街並みを見学する観光ツアーは、別名「生きた博物館(ムゼウ・ビーボ・ド・ボンデ)」とも呼ばれており、運転時間は毎日午前11時から午後5時まで(月曜運休)。
日曜の午前11時、正午、午後1時、同2時発の電車にはアコーディオンとギターの演奏サービスがあり、音楽を聴きながら町の周遊を楽しめる。運賃は大人5レアル(高齢者、学生、教師は半額)。
2012年4月14日付
