長年こだわりの甘味で勝負
第15回フェスティバル・ド・ジャポンが、13日から3日間にわたって聖市のイミグランテス展示場(Rod.dos Imigrantes km 1,5)で開催される。昨年も約20万人が来場し今や世界規模のイベントとなったが、同祭を支えるのは各県人会が出店する郷土食にほかならない。今年は 53の団体がスタンドを構え、来場者を待ち受ける。ブラジル人に人気のある焼きそばを提供する団体は15団体もあるが、本紙では毎年、誇りを持ち伝統を後 世に語り継ごうという心意気で郷土食を提供する県人会を紹介している。今年は日本のお菓子や軽食を提供する県人会にスポットを当ててみた。また、初出店と なる富山と神奈川についても紹介する。(編集部)
鹿児島県人会婦人部(阿部やえ子部長)は、日本祭りの前身「郷土食祭り」のころから、毎年欠かさず出品している甘味を今年も販売する。鹿児島の郷土菓子「かるかん饅頭」だ。
同婦人部は今年、調理に使用するかるかん饅頭用の型を200個新調した。同婦人部員によると、これまで使っていた型も初めは200個あったが、調理中に焼けるなどして約50個が使用できなくなった。また、長年使用するうちに使いづらくなっていたという。
型の購入は早い段階で決まっていたが、今年5月末ころブラジルに到着。6月に開かれた定例役員会の席で、新しい型が到着したことが園田昭憲同県人会長から報告された。
白く柔らかい「かるかん饅頭」は、とろろ芋などの材料をミキサーでよく混ぜて型に入れた後、水を張った鍋で蒸して完成する。同婦人部は一つの鍋で一度に約16個作っている。
長年準備に参加している婦人部員は「力仕事ではないが、量が多いので混ぜる作業が大変」と調理の苦労を語った。
同県人会の「かるかん饅頭」は、例年6個入り1パックで販売している。3日間で約2000個を販売。品切れになることも多い郷土の味だ。同県人会の郷土食は5番スタンドで購入できる。
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「私たちなりに作った婦人部のレシピ(レセイタ)があり、ずっと同じ味で作っている」と話すのは、福岡県人会婦人部の前田長美部長。同婦人部は、 母県で手土産の定番として親しまれている「千鳥まんじゅう」を模した「千鳥風まんじゅう」を14年間連続で出品している。10年間部長を務めている前田部 長は、「千鳥風まんじゅうだけは1回目からずっと作っている」と強調した。
元祖、千鳥まんじゅうには白餡が入っているが、ブラジルでは白餡用の豆が手に入りにくいため小豆で作る餡を採用。毎年、焼きまんじゅうと蒸しまんじゅうを1500個ずつ、合わせて3000個作っている。
前田部長によると同県人会はここ数年、土、日曜日の2日間のみの出店だが、千鳥風まんじゅうは毎年売り切れているという。今年も「日曜日の午後3時ごろには売り切れているのでは」と予想する。
同婦人部の千鳥風まんじゅうは、平均年齢75歳の同婦人部員と同県人会の役員夫人らが調理。「会館は調理設備が整っていない上、千鳥風まんじゅう を作る のは時間がかかる」。特に焼きまんじゅうは調理時間が長く、調理に使う時間の半分以上を焼きまんじゅうに費やしているという。
同婦人部員らが千鳥風まんじゅうを作るのは、日本祭り開幕前日の木曜日から土曜日までの3日間。この間、早朝から会館に集まり量産に励んでいるそうだ。
日本祭りの会場では、青年部員と元留学生らが販売を担当。これまで焼きまんじゅうと蒸しまんじゅうをそれぞれ10個入り1パックで販売していた が、「5 個ずつ入ったものが欲しい」との声が多かったため、今年初の試みとして両方入ったものを販売する。限定100パック用意する予定。1パックで2種類の千鳥 風まんじゅうを楽しめるとあって、注目を集めそうだ。(つづく、鮫島由里穂記者)
2012年7月7日付
