制度発足50周年迎える 日本へ感謝の気持ち伝えたい ASEBEX、10月に記念式典
ASEBEX(留学・研修生OB会、小松ジェニ会長)は、県連(与儀昭雄会長)、文協(木多喜八郎会長)との共催で今年十月に県費留学生・技術研修生制度開始五十周年を記念する式典を開催する。同制度で日本に行く日系子弟が年々減少する傾向にある中、小松会長は「五十周年の節目を機会に、昔のOBたちに戻ってきてもらうことができれば」と話しており、これまで世話になった日本側への感謝を示すとともに、日本文化を体験してきた日系人たちの存在をアピールする考えだ。
前留学生、研修生OB集合を! 日系人の存在感をアピールへ
県連の創立四十周年記念誌「ブラジル県連」によると、県費留学生制度は、岡山県が他県に先駆けて一九五九年に創設。第一期生は、現在のブラジル文化福祉協会第二副会長の栢野定雄氏だった。
現在、留学生・研修生OBの総数は定かでないが、県費留学生OBだけで千人以上に上る。
小松会長によると、一九六六年にASEB(留学生OB会)、八一年にABEX(研修生OB会)がそれぞれ創立され、九一年に両団体が現在のASEBEXとして合併して今年で十八年になるという。
その他に、文部科学省やJICAによる日系研修生制度などもあり、十月の式典ではASEBEXのみならず、すべての留学生・研修生を対象に参加を呼びかける考えだ。
小松会長は今年一月に会長に就任(一期一年)。九七年に愛知県の県費留学制度で豊橋技術科学大学で化学工学を一年間学び、九九年から一年間JICA研修制度により環境工学(排水処理および廃棄物処理)分野関連会社で研修。現在もサンパウロで環境関連の仕事に就いている。
ASEBEXでは毎年一月、日本への研修希望者を対象にしたセミナーを開催し、五月か六月頃に秋の研修会、年に二回(六月と九月頃)留学生向けの講演会などを実施。七月には県連主催の日本祭りにもボランティアとして協力している。
十月の式典場所など詳細は後日決定されるが、各県人会を通じて各県の知事や国際交流課関係者など招待してもらうことや、県人会からの推薦により代表者を式典当日に表彰する考えだ。
そのほか、OBを中心にインタビューを行ない、ビデオや書籍としてまとめることも考慮しており、現在のところIPK(インスチチュート・パウロ・コバヤシ財団)からの資金協力が決まっているという。
小松会長は「毎年、留学生・研修生の募集者が減っているのが問題視されていますが、OBがいる限り私たちの活動は続けられると思います。今回の式典は、すべての留学生・研修生たちからの日本に対する感謝の気持ちを伝えることが目的ですが、昔のOBや先輩たちに戻ってきてほしいという思いも強いです」と半世紀の節目を機会に、日本文化を自ら体験してきた「日系人」たちの思いを強化することも視野に置いている。
「今の二〇歳代の若者たちの間には、日本文化についてもっと知りたいという思いがあっても、親が日本のことを知らずに教えられないという現実があります。そういう人たちを、私たちASEBEXでもっと引き込みたいと思います。太鼓や祭り、アニメといった日本文化も良いのですが、他人への思いやりや真面目さなど、日系としての基本的な価値をASEBEXで伝えていくことができれば」と小松会長。『日系人』としての思いを継承していくことを望んでいる。
